庭を歩いてメモをとる

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自分で実験-血糖値スパイクを可視化してみた(フリースタイルリブレ)

私は51歳なのですが、おかげさまで人間ドックの数値は今のところだいたいが「問題ない」という状態です。

でももちろん調子の悪いところもあって、その筆頭が「糖代謝」。血糖を分解する力は弱いようなのです。

なので、血糖値についてちゃんと考えた方がよさそうだな・・・と思っていたところ、スマートフォンで血糖値をリアルタイムに測定できる機器があるというので、それを使ってみました。


血糖値スパイクとは

血糖値とは

そもそも、血糖値ってなんなのでしょうか。

厚労省*1によると「血液内のブドウ糖の濃度。食前・食後で変動する。低すぎると低血糖、高すぎると高血糖を引き起こす。」。

高すぎても低すぎてもいけないのですが、この高低が激しい場合、問題があると。どんな問題なのか。

血糖値スパイクとは

通常はこの血糖値の変動はゆるやかなのですが、食後に血糖値が正常値(140mg/dL)を超えて急上昇したあと、ジェットコースターのように急降下して、また正常値に戻ることがあります。これを「血糖値スパイク」といいます*2

これは血管にダメージを与え、動脈硬化を引き起こし、結果、心筋梗塞や脳卒中による突然死のリスクが高くなります。

しかもこれは、一般的な健康診断で測る空腹時血糖値の数値には現れないため、なかなか発見されず見逃されやすいとのこと*3

また、個人差もけっこうあるようです。


自分で、ほぼリアルタイムに調べる方法

この血糖値スパイクがどれくらい起こっているか、自分で調べる方法がないかなあ・・・思っていたら、ありました。

アボットジャパン社のFreeStyleLibre(フリースタイルリブレ)という機器です。
公式サイト

これの「センサー」とアプリ、そしてスマートフォン(対応していない機種もあります)があればいいみたい。

ただこれは、「高度管理医療機器販売管理者」の管理・確認が必要な機器で、約7,000円するのですが2週間しか使えないというハードルがあります。

そのハードルを超えて、使ってみた結果をメモします。

フリースタイルリブレの使用方法

フリースタイルリブレ センサー

こんな箱に入っています。



この青いスタンプのようなものを「パコッ」と腕に押し込みます。スタンプを押すような要領です。

針が長いので、最初見た時はちょっとひるみましたが、やってみると最初にちくっとするだけでした。



装着するとこんな感じです。これを2週間つけっぱなし。お風呂もこのままで大丈夫です。

で、血糖値を図りたいときにスマートフォン(対応機種)をセンサーにかざすと、過去数時間のデータがアプリに表示・蓄積されるという仕組み。


さて、このフリースタイルリブレを用いた実験結果は次のとおりです。


実験結果1 お菓子・スポドリは爆上がり、でも「低GI食品」なら・・・

一口カステラ

まずは、いかにも血糖値スパイクが起こりそうな甘いもの。


職場でお土産にもらったカステラ。一口サイズの、手のひらに乗るくらいの大きさだったのですが、このとおり爆上がり。

スポーツドリンク


映画を観る前に飲んだポカリスエット500mlも、やはり爆上がりです。

ここまでは予想通り。では、低GI食品ならどうでしょうか?

低GI食品とは、血糖値を上げにくい食べ物のことです。

「肉・魚などのタンパク質」「乳製品」「デンプン質以外の野菜」が代表的ですが、お菓子にも低GIをうたっているものがあるのです。

そのうちのひとつ、明治製菓の「チョコレート効果」のカカオ72%のを試してみました。

これ、血糖値の上がりやすさを数値化した「GI値」が、白米88・うどん85*4に対し、たった29とのこと*5

ほんまかいな?

低GIチョコレート


「チョコレート効果」2個。

看板に偽りなし、と言っていい結果。カカオ多めなので甘さ控えめではあるのですが、個人的にはチョコとして十分楽しめる甘さです。


実験結果2 ごはん茶碗1杯以下でもスパイクは起こる

じゃあ、お菓子じゃなく普段の食事はどうなのか。

もうごはんはおかわりなんてしないし、朝は茶碗の半分くらいしか食べていない。

ただ、仕事のある日は、その分間食を頻繁にとって(仕事しているとほんとにおなかが減ります・・・)バランスをとっているつもりなんですが、どうでしょうか。

(ちなみにこの日は在宅勤務だったので、間食の頻度も激しめです。)



  • A:朝食 ※スパイク
    • しらす+ごはん(茶碗の半分)
    • にんじん・大根・水餃子(2個)入りスープ
  • B:ミックスナッツ20粒
  • C:昼食 ※スパイク
    • ごはん(茶碗1杯)
    • にんじん・白菜の味噌汁
    • 焼き鮭切り身1つ
    • 焼き餃子4つ
  • D:ヨーグルト(砂糖入り)1カップ
  • E:ミックスナッツ20粒
  • F:ドラゴンポテト(スナック)手のひら分
  • G:本搾りオレンジ(酒)350ml
  • H:夕食 ※スパイク
    • ごはん(茶碗1杯)
    • トマトとブロッコリーのサラダ(小鉢)
    • にんじん・じゃがいもの味噌汁
    • 餃子8つ

ごはん茶碗一杯でも、半分でも、血糖値スパイクは起こるものなのですね・・・これはちょっとショック。

かといって、これ以上食事を減らしたり分散したりするのはつらい。

じゃあ、低GIの食べ物ばっかり食べていればいいのかというと、それも窮屈。

どうしようか。


実験結果3 食後の散歩の効果は絶大

他に血糖値スパイクを控えめにする方法は・・・食後の運動があります。

食後すぐの運動は消化吸収にとって良くないと言われているのですが、血糖値スパイク防止にはよいことがわかってきています。15分後の15分間の軽度の運動でも良い結果(が出ています)。

食後の血糖値は運動で下がる。でもどれくらいの運動が最適なの?(立命館大学生命科学部)

こちらも試してみました。

「天下一品ラーメン+チャーハン+ビール」でもスパイクしない!

たまたま、フリースタイルリブレセンサーを装着している2週間の間に、京都の北白川に行く用事があったので、天下一品ラーメン本店に行ってみました。

本店にしかないキムチラーメンとチャーハンのセットにビール。普段はこんなに食べ(れ)ませんが、半分は実験と称して、半分は単に食べたくて、食べてみました。間違いなく、ここ数か月で一番血糖値が上がりそうな食事。

その後、20分ほど徒歩で移動した結果・・・


血糖値は上がってはいるものの、とった糖質の量を考えると非常に低く抑えられているのがわかります。

食後の運動は、たしかに血糖値スパイクを抑えてくれるようです。

まあ、それだけ、消化にはよくないということでもあるのでしょうが。

アイスクリーム Before/After

ではおやつではどうでしょうか。

ちょうど、子どものお迎えの関係で、定期的に「同じ時間帯に同じ飲食店で」待機する予定があるので、同じものを食べて比較してみました。


ガストのアイスクリーム。これを・・・


食べてから約1時間座って読書してみた日。


そして、店を出る直前に食べて、直後に30分散歩した日。

ここでも、食後の運動が血糖値スパイクを抑える効果は絶大でした。


結局どうすればいいか

それで、いろいろ試してみた結果、私個人の場合は、次のような方法だと血糖値スパイクが起こりにくくなることがわかりました。

  • 食後に、散歩程度でいいので15分ほど運動する。
  • 蕎麦など、比較的血糖値が上がりにくいものを選ぶ(GI値54。うどんは85、白米は88)
  • 1回に食べる炭水化物の量を減らす
    • 朝はごはん茶碗1/3杯、トースト6枚切り半分
    • 昼はごはん茶碗半分以下
  • 間食はできるだけ低GIのものを(チーズ、ヨーグルト*6、ミックスナッツ*7など)


特に目新しい内容ではないですが、私個人の身体(51歳、165cm、58kg)に合わせた具体的な食事量がわかったのが収穫だったと思っています。

逆に言えば、以上の内容は、他の方にはあてはまらないことも多々あると思います。

そもそも私も、毎日3食このルールを守るつもりもありません。「気をつけていこう」くらいの気持ちでないと、続かないでしょうし。

それに、本格的に糖代謝を改善するなら、お医者さんに相談するべきなのは言うまでもありません。

あくまで参考に、そして自分自身の記録のためにこのメモを書いてみた次第です。


注釈


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