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新型コロナウイルスによる国別人口死亡率を比較してわかったこと、わからなかったこと

新型コロナウイルスについて、海外に住む友人知人たちとやりとりする機会が増えてきました。

やりとりしている相手はごく少数ですが、コロナウイルスがそれぞれの国に与えている健康上の被害のレベルは、どうも一律ではないような気がします。

なので、その差をできるだけ客観的に知りたいと思いました。


国による被害の違いをどうやって調べるのか

何で比べるのか

コロナウイルスの影響度を国別に比較するとすると、何をもとにすればいいのかな・・・

死者数や感染者数は、そもそも国ごとに人口が違うのだから比較に使うのはナンセンスでしょう。

では実数ではなく率で比較するとして、感染率は?そもそも検査対象や検査方針が国によって違うから比較は難しい。

感染者のうちの死亡者数の割合を見る致死率も同様。

では人口に対する死亡率は?

「コロナで死亡した」という定義が国によって違うという問題はあるけど(参考: 【解説】 各国の感染・死者数、比較が難しいのはなぜ? 新型ウイルス - BBCニュース)、先に挙げた指標よりは実態に近いのではないでしょうか。

何で調べるか

なので、この「人口死亡率」を、まずは友人知人の住んでいる国ごとにグラフで比較してみようと思ったところ、札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門様がこの目的にうってつけのサイト「 人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】 」を運営されていたので、活用させていただきました。感謝申し上げます。

また、人口死亡率による比較については、先に同様の比較をされている友人(人生の先輩)のブログ( harvest blog: 各国人口死亡率で並べてみましたよ 5・8日現在)も参考にさせていただきました。ありがとうございました。


友人知人の住んでいる国を比べてみた

で、早速、友人知人の住んでいる国と日本を比べてみました。

(以下、2020年5月9日現在の数値、対数グラフです。また「人口100万人以上かつ100万人当たり感染者数10以上の国」のみが対象です。)

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出典:人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移(日本、韓国、中国、ポーランド、スペイン、フランス、アイルランド、アメリカ)←上記グラフのURLに直接リンクしています。以下同様。

これを見て思ったのは、「ヨーロッパ・アメリカとアジアで率がかなり違う。そしてポーランドはその中間」ということです。それがけっこうはっきり出ているなあ。

ただ、サンプルがこれだけだと何とも言えないので、次は、人口死亡率ワースト10の国をピックアップしてみます。そこから何か見えてくるかもしれません(札幌医科大学医学部のこのサイト、ワーストn位のみ抽出する機能もあり実に便利です)。


コロナ国別人口死亡率ワースト10

ワースト10の地域は偏っている

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出典:人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移(ワースト10)

ワースト10は次の通りです。

  1. ベルギー
  2. スペイン
  3. イタリア
  4. イギリス
  5. フランス
  6. オランダ
  7. スウェーデン
  8. アイルランド
  9. アメリカ
  10. スイス

これ、かなりはっきりしていますね。「ワースト10は西ヨーロッパとアメリカ」の一言で言い表せます。

西欧の大国の中では、対策が効果を上げているといわれるドイツは入っていませんので「西ヨーロッパの国はすべて人口死亡率が高い」とは言えませんが、「人口死亡率ワースト10のうち9か国は西ヨーロッパ」とは言えますね。

違いはどこから?

この違いはどこから来るのでしょう。対策でしょうか。人種でしょうか、地域でしょうか。

対策は、上記の国すべてが同じような対策をしているとは考えにくいですので、除外できると思います。

何より、「出歩く際は政府のサイトから証明書をダウンロードし、そこに氏名や外出目的を書いて持ち歩かなければならない。不要不急ではないか警察のチェックが入り、違反すると高額の罰金が科せられる。」*1というイタリアより、「保育園・小学校・中学校はまだ平常どおり授業が行われている。現在法律で禁止されているのは「高齢者施設の訪問」と「50人以上の集会」だけ」*2というスウェーデンのほうが人口死亡率が低いくらいですから。

対策を開始した時期の違いもあるかもしれませんね。同じ対策でも、パンデミックの初期に行うかどうかで効果は変わるでしょうから。

ただ、それにしてもこの「ワースト10はほぼ西ヨーロッパ」という現状は対策の違いだけで片付けるのは難しいように思います。

では人種でしょうか。地域でしょうか。

ということで、その二つが近いと思われる、お隣の東ヨーロッパを見てみます。

私の友人の住むポーランドは西ヨーロッパより率が低かったのですが、それはほかの東欧諸国にもあてはまるのでしょうか。


東ヨーロッパ

比較のために、人口死亡率ワースト1位のベルギーを入れておきます(以下同様)。

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出典:人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移(東ヨーロッパ)

明らかに西ヨーロッパより低くなっていますね。

地続きなのに、なぜこんなに差が出るのでしょう。

人種も、東欧のスラブ系と西欧のアングロサクソン系またはラテン系でそんなに大きな差があるのでしょうか。というか今は移民も多いから一概には言えないか・・・

わからない・・・

わからないまま、アジアの状況も比較します。国が多いので東アジアと東南アジアに絞ります。


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東・東南アジア

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出典:人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移(東・東南アジア)

これもはっきりと傾向が出ています。

西ヨーロッパはもちろん、東ヨーロッパよりもさらに低い。

中国のような、政府が強い権限を持っている国のデータがどこまで信用できるかは別にしても、傾向としては明らかに東西ヨーロッパより低いですね。

となると、人種の違いなのかなあ・・・

では、「主に西欧の人たちの移民がつくった国で、ヨーロッパにない国」を比較してみることにします。

具体的には、北米とオセアニアです。


北米とオセアニア

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出典:人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移(北米・オセアニア)

北米2か国、オセアニア2か国だけなのであまり断言はできませんが、これも傾向が出ています。

  • 北米(カナダ、アメリカ)は西ヨーロッパ並み
  • オセアニア(オーストラリア、ニュージーランド)はアジア並み

4か国とも元イギリスの植民地(ただし移民も多い)ですが、この差はなんなんでしょう。

わからないまま、他の2地域も調べてみます。


南米とアフリカ

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出典:人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移(南米)


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出典:人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移(アフリカ ※人口上位10か国のうちデータのある国のみ)


こちらもけっこう傾向がはっきり出ています。

南米は東欧並み、アフリカは東アジア並みですね。


わかったこととわからなかったこと

グラフを比較して、なんとなくですがわかったことをまとめてみます。

わかったこと

  • 新型コロナウイルスの国別人口死亡率は地域によっておおまかな傾向がある。
    • 西ヨーロッパと北米・・・高い
    • 東ヨーロッパと南米・・・中くらい
    • 東・東南アジア、オセアニア、アフリカ・・・低い
  • 国による対策で多少の差は出ているが、それよりも地域差のほうが強いと思われる。

つまり、新型コロナウイルスによる健康上の影響は、人種でも対策でもなく、地域に相関がありそう

※だからといって、決して「対策はどうでもいい」とは思っていません。最適な対策は打たれるべきです。

わからないこと

上記の地域差がなぜ生じているかはわからない。


終わりに

そもそも、新型コロナウイルスによる影響は、人を死に至らしめるだけでなく、健康面・経済面・心理面へおいても計り知れないものがあります。

その中の「人口死亡率」に限った比較で、しかも結論が出ていないメモですが、現時点で見えてきたことだけでも記録に残しておこうと思い、公開することにしました。

何かお気づきの点があれば、コメントいただければ幸いです。

in English


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