庭を歩いてメモをとる

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空中都市マチュピチュへの道

マチュピチュへの道・アウトバゴン

2日目の朝は晴れ上がり、涼しくて心地よいものでした。「インカの呪い」高山病も、一眠り(時差で3時間ほどしか眠れなかったけれども)すっかり治りました。 今日は、インカの遺跡の中で、唯一スペイン人の破壊を免れた「空中都市」マチュピチュ(Machu Picchu)へ行く日です。ツアーメンバーの中でも、この遺跡を一番の楽しみにしている方が多く、日程2日目にして早くもクライマックスを迎えたような気分です。

朝食後、まずバスでオリャンタイタンボ駅に向かいます。今日は月曜日なので、子供達の登校する姿が見えます。こちらの制服は、白のカッターシャツに濃いグレーのVネックでした。 十数分で駅に着きました。ホームと線路の両方に、電車を待っている人がいます。ここからアウトバゴンといわれる列車でマチュピチュのふもとに向かいます。


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アウトバゴンを待つ。奥に見えるのはアンデスの山々

しばらくしてやってきたアウトバゴンは、それほどガタがきているような列車ではありませんでした。それどころか日本語の社内ビデオの上映までありました。クスコの歴史や遺跡について、けっこうわかりやすくまとめられていました。
車窓からは、進行方向に向かって右にアンデスの雪山が、左に渓谷が見えました。

2時間半くらいでマチュピチュ駅に到着。ここからバスで急斜面を登ります。マチュピチュの山を見上げると、よくあんなところに石を積み上げたものだ、と改めて思います


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マチュピチュの山。これからこの斜面をバスで登ります。

ここで、ツアーメンバーのある方が言っていました。「俺はマチュピチュが楽しみでここのツアーに参加した。思い入れのあるところだから、徐々にではなく、突然、曲がり角を曲がった瞬間にマチュピチュの全貌が視界いっぱいに広がるというような現れ方をしてほしいんだ」さて、実際はどうでしょうか。
バスはガードレールなしの急斜面をどんどん登っていきます。あっという間に出発した場所がはるか下に見下ろせる位置になりました。ふと気付くと、石づくりの建物が見え隠れするようになりました。そう、マチュピチュです。


失われた都の入り口

バスは駐車場に。まさに観光地で、たくさんの観光バスが止っています。すぐ横にはペルー一料金が高いホテル「マチュピチュ・ルイナス」が。 2階建くらいの、ファミリーレストランみたいな建物です。それほど豪華でなさそうなこのホテルが一泊2万円近くするのも観光地ならでは。そして、入場料を払って遺跡のエリアに入ると、白人と東洋人ばかりで、この遺跡を造った現地のケチュア人がいなくなります。入り口には、この遺跡の「発見者」ハイラム・ビンガムの名を刻んだ碑がありました。

ちなみに、マチュピチュにはペットボトル持ち込み禁止です。(理由は、忘れましたが、これが原因で火災がおこったから、だったかな。)でも、入場する時だけ隠しておけば、中で取りあげられることはありません。私も、今日は快晴で日差しも強く暑いくらいなので、ミネラルウォーターのボトルをこっそり持ち込みました。 遺跡に入ってすぐの、高台に登る道を登ると、有名なあのアングルでマチュピチュの全景が見下ろせます。みんなため息をつきながら眺めます。写真でしか見たことがないものを実際に目の当たりにするのは、旅行の楽しみの基本ですが、今回は特に感慨深かったです。


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マチュピチュ=「老いた峰」
向こう側の山ワイナピチュ=「若い峰」

ワイナピチュは登山ができますが、道が悪く、数年に一度人が落ちて亡くなるらしいです。最近日本人が事故にあったとのこと。


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この上のショットはあまりにも有名ですが、その後ろ側はどうなっているのかと思っていました。こうなっています。


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脇に目をやると、ここがどれほどの絶壁に囲まれているのかわかります。

ここは、ガイドのカルロスさんの説明を聴くのにも最高の場所でした。遺跡の歴史、各々の建物について、わかりやすい説明がさらにわかりやすくなります。ここでカルロスさんは、マチュピチュの「発見者」はケチュア人だと語っていました。この遺跡の存在は、地元民の中ではずっと知られていた。ハイラム・ビンガムは、それを聞いた地元の少年を雇ってこの遺跡を見、世界に紹介した人だと。全面的に納得できる説明でした。同様に、例えば「コロンブスがアメリカ大陸発見」なんて言ってますが、アメリカにはもともと人間が住んでいたのだから、「発見」という言葉は不適切だと思います(2005年追記:最近はこういう考え方がむしろ一般的ですね。わざわざ書くまでもなく。)


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