庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

六甲山ホテル

恒例にしようと思っている、「一人でちょっといいホテルに泊まって考えごとをする」旅に今年も行きました(なぜそんなことをするのかについては、昨年の琵琶湖・マキノへの旅のエントリをご参照ください)。旅といっても、自宅から1時間もせずに着いてしまう、旅費が往復で440円という代物なのですが。

お昼に自宅を出発、阪急神戸線の六甲駅へ。まだ夏の余韻が残る良すぎる天気。ここで昼食をとる予定のレストランがどうもなくなってしまったようで、急遽その近所にあったABBRACCIO & BACIOへ飛び込み。1500円のランチをお願いします。


昼食


オードブルはワカサギ。あったかくてしゃっきり揚がっていて、食欲をそそられます。

パンもいろんな種類があり選ぶだけで楽しかったです。トマトのパンをいただきました。


メインは牡蠣のカルボナーラ(300円アップ)。イメージ通り濃厚でしたが、こんなに牡蠣と卵が合うとは驚きでした。そして、麺は平麺(タリアテッレ)。大好きだし、ソースがすごくよく絡まるしで感激。このこってり味をビール(プレミアムモルツ)をやりながら味わっていくのが気持ちよかったです。

デザートはグァバのゼリーとバニラアイスクリーム。いい具合に口直しさせてもらいました。

何の下調べもなしに入ったお店にしてはかなり当たりだったと思います。味だけでなく、ウェイトレスさんも笑顔で感じよかったし、値段も抑えられてるし。次に六甲に行ったらまた行こうと思います。

さて、次に1時間に一本のホテルのシャトルバスに乗り込みます。街から観ると六甲山はかなり上にあるのですが、バスはあっさりと、約20分程度でホテルに着きます。六甲山ホテルです。ここを選んだ理由は、いわゆるクラシックホテルの落ち着いた雰囲気を味わいたかったからです。もちろん夜景も目当て(一人で観るのですが・・・)。さて、実際はどうなのでしょうか。


六甲山ホテル


現在のエントランス。でも私の部屋はここではなくて・・・


こちら、旧館にある古い部屋です。どうやら1929年開業当時の建物のようです。ここは2階までしかないので夜景は見られないし、設備も相当旧式であることが予想されますが(実際、エレベーターもなかった。これはこれで味わいがあっていいのですが。)、そもそも古さを楽しみに来ているのだし、料金も安いしということでこちらを選んだ次第です。



部屋は、非常にシンプルかつクラシック。設備は当然古いし(テレビだけ液晶で浮いてました。もちろんそのほうがいいのですが)、古い木の香りもします。昔通ってた小学校の木造校舎のにおいを弱めた感じ。人によると思いますが、私は気に入りました。ミニバーを見ると、エビス、エビスブラック、ペリエなど。いい感じです。


しかしバストイレは古いビジネスホテル並。これはしょうがないですね。当然館内のどこにも大浴場はありません。また、防音がとても心許ないです。廊下の話し声、向かいの道路のエンジン音、はっきり聞こえます。このホテルで一番残念な点です。


旧館2階にはライブラリが。本はほとんどなく、小さなロビーのよう。ここの奥にあるモスグリーンのソファは、阪急グループ創始者の小林一三が愛用したものだそうです。ここでじっくり読書、というのもいいかもしれません。


展望台へ

少し休憩をとってから、展望台を目指して歩きます。ホテルでも展望はできますし、巡回バスも出ているのですが、歩くのが好きなので。しかし、道は基本的に車向けで、ところどころ歩道もないのでした・・・音楽を聴きながら歩くのは楽しかったですが、危険だし、何より排気ガスのただ中で呼吸をすることになるので、おすすめはできません。それでも、3kmを約1時間かけて展望台まで来ました。


最近できた新しい展望施設「六甲枝垂れ(しだれ)」。施設の中は氷室を使ってひんやりとした空気を作り出すなど、いろんな工夫がしてあるのですが、肝心の展望台に枝みたいな網みたいなおおいがあって眺望を邪魔しているのがまったく納得いきません。それに、ここからの視界には、ケーブルカーのケーブルが思いっきり入りますが、少し降りた土産物店のテラスだとそれもなく、また眺望も遜色ないので、こちらがおすすめです。ただ座れません。座ってじっくり、という場合は六甲枝垂れの「網」の外に腰掛けて、というのがよさそうです。


神戸を臨む。


パノラマ(拡大画像

自己満足ですが、汗をかいた後の眺望はより気持ちよく見られますね。自分が生活しているエリアをひとつの視界に入れてしまうことに不思議な感慨深さがありました。


帰りはバスで。六甲でとれた牛乳をつかったソフトクリーム。濃厚でした。


ホテルに戻り、新館6階でディナーをいただきます。


18時過ぎ。いい感じで暮れなずんできました。


オードブルや魚のポアレ、スープなど、どれもおいしかったのですが、一番はやはりメインの牛フィレ肉のソテーです。月並みですが、肉とソースときのこの調和が絶品。なぜかこのとき飲み物が赤ワインでなかったのが悔やまれます(って、注文するのを忘れて食べてました)。しかしこのディナーも一人で食べてると1時間くらいで終わってしまいます・・・一人旅で一番残念なのは夕食が寂しいことですね。

普段食べないグレードの食事を堪能した余韻に浸りながら部屋に戻り、この旅の一番の目的である「はしごの掛け違えがないか」をじっくり考えます。2時間くらい。振り返り、感じ、考える。思いついたことをかたっぱしから書いていく。去年同様、この作業をしていて、最後に残ったのは感謝の気持ちでした。最後がそこに行き着いたということこそ、感謝をいくらしてもし足りない。

ということで、今度は感謝の気持ちにつつまれながら、新館6階のバーへ。


絵に描いたような夜景とカウンターのとりあわせ。写真ではちょっと寂しい夜景かもしれませんが、実際はもっときらきらしていました。


六甲ビールから始めて、いくつかのカクテルをいただきました。今度は何も考えず、夜景を観ながら、ひたすらちびちび飲む。閉店が休前日で23時というのは少し早い気がします。あっという間にその時間が来てしまいました。なにはともあれ、何も考えずに2時間近く飲んだのは初めてかも。

これも昨年同様、眠るのがもったいない気分で、眠りにつきました。


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