社会と課題
この本の原題は"The Rational Optimist"(合理的な楽観主義者)。要するに「昔はよかった、これからは悲惨な世の中になっていく」という世間の声に真っ向から異議を唱えるのが主旨なのです。しかし、それ以外にも興味深い内容が多数含まれていたので整理しな…
ご当地ラーメンは、なぜその地の産物と関係のないものばかりなのか?ラーメンが他の外食産業と異なる点は?
外からは見えにくいいくつかのビジネスの「相場」と「お金の流れ」を綿密な取材(と思われる)をもとにルポしてくれているまんがです。そのビジネスとは・・・ 「まんが業界は雑誌では利益を出せていないところが多い。では何でもうけているのか?」「コンビ…
今までの小熊さんの本といろいろ違っていました。である調ではなくですます調。引用情報のソースは最低限にしか示さない。なにより、「で、どうすればいいのか」が以前の本に比べると明確に書いてある。これらの体裁から、より「幅広く読んでほしい」という…
世界価値観調査というものがあります。様々な国の人々に同じ質問をして、その答えから価値観の類似・相違を明らかにするというものです。この結果をまとめた本があったので、ここから、日本が上位5国または下位5国に入っているものをピックアップしてご紹介…
台湾が親日である理由4つのうちの1つを特にあてはまると考える理由を、沖縄との比較から考える。
(前日からの続きです。) いわきへ8時に茨城県ひたちなか市在住のKさんの車にFさんと乗り込み、福島県いわき市を目指します。Kさんは被災者でもあるので(昨日ご自宅の前を通りましたが屋根にはブルーシートが)、高速道路は無料でした。だんだんと、家々の…
">イギリス研究会の記念すべき第50回は北関東で行うことになりました。メンバーの一人が茨城に住んでいて以前からそこでやろうかという話があったのと、その方の福島県いわき市での東日本大震災関連ボランティアの経験をうかがって、現地に足を運ぶ必要性を…
その1「戦後日本社会の転換点と『1975年体制』」に引き続き、この本で特に印象深く感じたふたつの点についてメモします。 日本のナショナリズムまず、ナショナリズムがなぜ人を引きつけるのかという根本的な疑問について。いや、私自身もなんとなくその「魅…
「思想の変化は社会実態の変化に15年ほど遅れて起こる」ことと、1975年が「経済成長を前提としたモデルの完成形」を作り上げた年であることについて。
その日本人は、そもそも非難されるようなことはしていなかった。ではなぜ?その背景について。
「ジャングル黒べえ」一時期絶版になっていた理由は、具体的な抗議があったからではなかった-その内容について、安藤健二「封印作品の謎2」をもとに整理したメモ。作品が誕生した70年代の雰囲気についての管理人の個人的な経験も少し書いています。
連合赤軍事件のこれまでの受け止められ方と、今後の受け止め方の提案。
連合赤軍はどのように誕生したのか、また「同志」へのリンチはどのようにして進行していったのか。そしてそれはなぜ起こったのか。、小熊英二さんの大著「1968」をもとに整理。
連合赤軍とは何なのか、何が連合してどんな性格を有するに至ったのかを、小熊英二「1968」の内容を元に整理。
〈私〉時代のデモクラシー (岩波新書)posted with ヨメレバ宇野 重規 岩波書店 2010-04-21 Amazon楽天ブックス7net 一人一人の<私>というミクロな視点に立つことで、社会全体のマクロな動態を把握していくための本です。どこかの書評(失念失礼)で知って…
さすが、いろんなところで評判になっているだけあって、興味深い小ネタが読みやすく配置されていますね。さらっと楽しんで読めました。と、こう書くと内容が軽い本のように思われそうですが、豊富なデータと明晰さがうかがえる洞察がまんべんなくちりばめら…
最高裁の判例は事実上法令と同等の効力を有します。そのように大きな効力をもつ判例(最高裁以外も含む)の中から、特に後の世に大きな影響を及ぼしたものを紹介し、検証する本です。どの章も興味深い例を挙げている上に批判するだけでなく提言も行っている…
タイトルとは異なり、日本の医療を経済学の視点で捉えた本です。しかり、「看板に偽りあり」(きつい言い方ですが)ではあるかもしれませんが、羊頭狗肉ではない(内容は充実している)と感じました。医療の現状について豊富なデータを用い、極めて客観的に…
この本は、アンケート結果を分析することで、日本に住む人のうち、どんな人が幸福だと感じている/いないことが多いのかを調査したものです。いつものように、印象に残った部分をメモします。 幸福度が低い人の傾向例えば、地方在住者より都市部在住者のほう…
小熊英二助教授(当時)の論考と彼のゼミ生・上野陽子さんの卒業論文(2002年)で構成されている本。小熊さんの論考も興味深いのですが、ここでは上野さんの論文についてメモします。彼女の論文は、「新しい歴史教科書をつくる会神奈川県支部有志団体史の会…
日本人は集団主義、アメリカ人は個人主義とよく言われる。しかしそれを実証した実験結果はない。よって、日本人は集団主義とは言えない。それがこの本の要旨です。著者は、日本人とアメリカ人を比較した実証研究を調査します。すると、対象となった19件の研…
この本は2つの柱で構成されています。ひとつは新聞の死亡記事をもとにした爆笑問題の対談。もうひとつは1950年から99年までの新聞(おそらく産経)死亡記事の面積ランキングです。対談部分は、特に太田さんの読書量や知識が垣間見える内容で勉強にもなりつつ…
職場の読書会で同僚がこの本について発表していたのを機に関心を持ったので読んでみました。2005年10月29日、日本の外務大臣、防衛庁長官と米国の国務長官、国防長官は、「日米同盟:未来のための変革と再編」という文書に署名しています。これは著者による…
「日本がなぜ戦争を始めたのか」についていくつかの本を読んでいたところ、職場の上司が「その時代に関心があるならこの本を読んでみてはどうか」と薦めてくれたのがこの本です。本書は、1948年、アメリカのアジア研究者でGHQの一員として日本の労働法の策定…
このタイトルだけを見れば、日本がなぜ太平洋戦争を始めたのか、その理由とそれが避けられなかった事情が書かれている、そんな本だと思うでしょう。しかしそうではありませんでした。この本の実際の内容は、歴史学者である著者が、高校生を相手に、日清戦争…
ユダヤ人絶滅計画推進者アイヒマンの裁判記録を読んで感じたこと。アイヒマンには気の毒な側面もある。そして本書は現代の我が身を振り返る材料になる。
911同時多発テロの1ヶ月後、友人たちとシンガポールに集まったとき、一人が言いました。「俺の乗った飛行機で、アラブの人が急に手を挙げるから、この飛行機が乗っ取られる合図かなとびびっていたら、ただ伸びをしただけだったよ。」私はこれを聴いて爆笑し…
経済学では、人間は合理的に行動することとされています。価格は需要と供給の一致で決まる。これも人が合理的であるからこそ成り立つ原則です。しかしこの本では、人間はよく不合理な行動をする−しかも予想通りに−ことが述べられています。未知の商品が出た…
これは、心理学的見地から「幸せ」を考察した本です。って、「幸せ」って多くの人にとって一番関心のある心理状態だと思うんですが、なぜそんな本が今ごろ?といぶかしむ方もいらっしゃるでしょう。私もそう思いました。しかし、これまでの心理学では、幸福…