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デスノート第13巻 How to Read

DEATH NOTE (13) (ジャンプ・コミックス)

原作の大場つぐみ・作画の小畑健のロングインタビューと対談が一番楽しみでした。実際、読んでみても意外な内容に驚き。


まず大場つぐみ。あの内容ですから、すべてが計算尽くと思いきやそうでもない。例えば、ラストシーンは最初から決まっていたものと思いこんでいたのですが*1、実はそうではなかったんですね。しかも、物語そのものも、大場つぐみ自ら主人公を追い込んで、それから打開策を考えているとのこと。最初から何もかも考え抜いてからストーリーを構築しているように思えて、実は行き当たりばったりだったと。対談相手の小畑健が語っているように、ちょっと信じられません。

一方で、人間の煩悩の数である108話で話を完結させ、この13巻を13日の金曜日に発売したのはやはり計算だったようです。まあ本人が書いているように、それを実行するのがまたすごいのですが。


そして小畑健。この人も、あれだけクオリティの高い画をキープしたことについて、「手を動かすと(キャラが)出てくるという感じでしょうか」「それが一番楽なんです。考えるとできないです」と、これまた対談相手の大場つぐみが語っているように、「究極の人でないと言えない発言」のように思います。


このように、このまんがほど、原作者・作画者双方の才能の相乗効果が光っているまんがも少ないんじゃないかと常々思っているのですが、その創作の力のみなもとが対談で垣間見られた感じです。つまり、お互いへの尊敬の念と「つまらないものを作るのは相手に申し訳ない」という緊張感。チームワークのお手本を見せてもらった気がします。

*1:お読みになった方ならこれがどういう意味かわかっていただけると思いますが、ネタバレになるので控えます


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