庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

本・まんが

グローバル経済と村上春樹、クールジャパンと西原理恵子

香港の研究者と小熊英二さんの会話から、村上春樹作品が世界で受け入れられている理由や、西原理恵子が海外のまんがファンに知られていない事象についてメモ。

日本で貧困をイメージしにくいのはなぜか

日本で貧困が拡大?貧しいかっこうをした人を見かけることはほぼなく、スラムのような場所もほぼない。それはなぜか。

振り込め詐欺が日本で成立する理由 - 小熊英二「論壇日記 2011.4-2013.3」その1

歴史社会学者の小熊英二さんが「朝日新聞の論壇メモ」と「週刊エコノミスト連載・読書日記」(2011年~2013年春)をもとに加筆修正した本です。前者は、毎月リベラルから保守まで幅広い論説誌を読み込んだメモと考察で、後者はその名の通り読書日記。その性…

尖閣、北方領土、竹島。領土問題の経緯を整理してみた - 白井聡「永続敗戦論」

この本のメインテーマは書名にもなっている「永続敗戦論」という考え方で、これ自体も興味深かったのですが、よしてるにはそれよりも現在の日本の領土問題の背景がわかりやすく整理されていた点を興味深く感じました。永続敗戦論――戦後日本の核心 (atプラス…

よくわからないパートも多いけど、全体像が放っているものが非常に強力-ドストエフスキー「悪霊」 亀山郁夫訳 (光文社古典新訳文庫)

ドストエフスキー「悪霊」 亀山郁夫訳、物語の感想(ネタバレ若干あり)と亀山さんの訳と解説について。

2015年の収穫

2015年、このメモをお読みいただきありがとうございました。この1年で特に印象深かったもの・役だったものを挙げます。 本 半藤一利「昭和史」(2004年・2009年) 須田慎太郎・矢部宏治・前泊博盛「本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること…

日本は法治国家のはずなのになぜ行政による裁量の余地が大きいのか-小熊英二「真剣に話しましょう」

小熊英二氏の対談集から、タイトルの他、「国民の日本国憲法受容プロセス」「自民党員数・業界団体支持の変遷」などについて。

おニャン子時代に渡辺美里がブレイクした1986年の空気

中尾賢司さんのブログkenzee観光第二レジャービルのファンなので買いました。そのブログは、その邦楽・文芸から連合赤軍事件などを扱う縦横な評論もさることながら、軽妙でニヤリとできる語り口調、ふざけているようで実は礼儀正しく真摯な姿勢(aikoをナメ…

作家について、ビールについて、そして海外での「きつい体験」について-村上春樹「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」(2012年)

春樹さんへのインタビュー集。春樹さんがお気に入りについて語っているものを中心にメモしてみます。

なぜ平均律がポピュラーになるのには時間がかかったのか

音楽史を変えた五つの発明posted with ヨメレバハワード グッドール 白水社 2011-02-22 Amazon 1958年生まれのイギリスの作曲家で「ミスター・ビーン」の音楽を書いた著者による音楽史。しかし、その内容は音楽の歴史をただ単に年代順に記したものではありま…

鳩山首相はなぜやめたのか?「本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること」

鳩山(由紀夫)首相が辞任したのと似た事件が90年代にもあった。フィリピンにおける米軍撤退と鳩山氏辞任の関係等を推測。

そこには、予想外の生き生きとした表情があった-「首相官邸の前で」

映画「首相官邸の前で」の感想と、小熊監督とのトークシェアでの質疑の様子。

シベリア抑留よりつらかった日本での暮らしとは - 小熊英二「生きて帰ってきた男」(2015年)

歴史社会学者の小熊英二さんが、自身のお父さん謙二さんにその半生を聞き書きした記録です。 謙二さんは1925年生まれ。戦後シベリアに抑留された後帰国、結核療養所で過ごした後いくつかの職についた後、スポーツ用品販売店を営みます。老後は環境保全や反戦…

数字でわかる「欧州第二次大戦はソ連とドイツの戦争」「法人税納付企業は全体の3割だけ」という事実 - 野口悠紀雄「数字は武器になる」(2014年)

この本は、「文系こそ数字を」との考えのもと、複雑な数式などを使うことなく、世の中の諸事情を数字で把握し、説明や説得に数字を使うことの効用とおもしろさを説いた本です。野口さんのノウハウ本は「超整理法」以来愛読していますが、今回はノウハウ面よ…

日本はなぜ戦争を始めたのか、何冊か本を読んで考え中

「日本はなぜ戦争を始めたのか」を考えるヒントになるメモ。7冊の本がベースになっている。

インドで女性の地位が低い理由

(2017年12月更新)女性のいない世界 性比不均衡がもたらす恐怖のシナリオposted with ヨメレバマーラ・ヴィステンドール 講談社 2012-06-22 Amazon楽天ブックス7net 本書のタイトル「女性のいない世界」とは、何を意味するのでしょうか。実は、アジアだけで…

音楽は人間であることの一部 ー オリヴァー・サックス「音楽嗜好症」

(2021年2月6日更新)音楽嗜好症: 脳神経科医と音楽に憑かれた人々 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)posted with ヨメレバオリヴァー・サックス 早川書房 2014-08-22 AmazonKindle楽天ブックス7net 映画「レナードの朝」の原作で知られ、現役医師でもあるオ…

芦屋・村上春樹少年ゆかりの地

仕事で阪神芦屋駅近くに行くことがあったので、仕事完了後村上春樹さんが少年時代に過ごした場所を巡ってみました。 芦屋宝盛館まずは駅のすぐ北にある書店、宝盛館。春樹少年がよく本を買っていたところです。春樹さん自身も最近こう書いています。阪神芦屋…

モーツァルト型ではなかった神様−手塚プロダクション「手塚治虫 原画の秘密」(2006年)

手塚治虫といえば漫画の神様ですが、原稿の描き直しでも有名でした。連載開始時、単行本化時・・・しかしその描き直しの程度が尋常ではないことが、本書の豊富なカラー写真と解説でよくわかりました。百聞は一見にしかずとはこのことなのですが、特に印象に…

新たなホームズ映像作品を生み出した人々はどんな志で制作に挑んだのか−ユリイカ 2014年8月臨時増刊「シャーロック・ホームズ コナン・ドイルから『SHERLOCK』へ」

BBC制作「SHERLOCK」がお気に入りなので読んでみました。 ベネディクト・カンバーバッチインタビュー(要約)シリーズが始まる前に、再度原作を読み返したり。詩を暗記しようとしたり、車のナンバープレートを覚えようとしたり。そうやって記憶力を鋭くしよ…

アメリカが日本とドイツに占領された世界の中で、アメリカが勝利したという小説を読むとき−フィリップ・K・ディック「高い城の男」(1962年発表)

書籍版 kindle版 あのP・K・ディックの作で、こんなに日本とかかわりのあるストーリーなのに、このブログを拝読するまで、この小説のことは知りませんでした。ドイツ第三帝国と大日本帝国に占領されたアメリカを描く海外テレビドラマ『高い城の男』で、読ん…

風邪に強い人は免疫の弱い人?最新の風邪の予防と対策

風邪対策に免疫強化は逆効果。ではどうすれば?意外とトンデモではなかった本の内容をメモ。

自立とは依存先を増やすこと − SOS子どもの村JAPAN広報誌「かぞく」創刊号(2014年)

(画像は発行元サイトから引用) きっかけは、次男が生まれたとき、軽い気持ちで始めたことでした。世の中には、事情で親と暮らせない子どもがいる。そういった子どもたちのために児童養護施設があるけど、育親(里親)と一緒に、つまり家族のいる家でそうい…

なぜ衛生状態がよくなるとアレルギーが増えるのか

寄生虫がいなくなるとアレルギーが増えてしまう仕組みと、アレルギー対策についての科学的見解。

2014年の収穫

今年出会えた素晴らしい作品・製品。作者さんと、作品を世に出してくださった方々に感謝です。なお、以下のリストの作品名は当ブログの該当メモにリンクしていますが、メモを書いていない作品・製品には写真(リンク先はアマゾンの商品ページ)をつけていま…

一生変わらないはずの遺伝子が「変わる」?−仲野徹「エピジェネティクス」

遺伝子は死ぬまで変わることはない。しかし「あたかも遺伝子が変化したかのような事象=エピジェネティクス」は起こる。その概要、仕組み、応用。

事故原因と航空便の選び方 - 杉江弘「マレーシア航空機はなぜ消えた」

(2018年1月27日更新)2014年3月8日午前0時41分、クアラルンプール国際空港を239人の乗客乗員を乗せて飛び立ったマレーシア航空MH370便は、離陸から50分後、突然航路を外れ、左旋回して西に向かい、その後インド洋を南下して行方不明になりました。本書では…

プリオンとは?プリオン遺伝子からわかる古代人類のある「習慣」とは?

眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎posted with ヨメレバダニエル T.マックス 紀伊國屋書店 2007-12-12 Amazon楽天ブックス ある日突然身体の不調を感じた後、平衡感覚がなくなり、眠れなくなる。そしてしばらくすると衰弱して死んでしまうと言う世…

地球の気候変動は今どんなサイクルにあるのか?過去にあった「夏のない年」とは?−大河内直彦「チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る」(2008年)

人間の影響がなければ、これから地球の気候はどう変わるのでしょうか。本書によると、この1,000年では、温暖→やや寒冷→温暖(今ここ)なのだそうですが・・・関連箇所をメモします。 10〜14世紀 この時期、ヨーロッパは比較的温暖。イギリス南部でもワイン製…

平野啓一郎「空白を満たしなさい」

SFのような導入部から、ミステリーのような緊迫感をもって物語は進みますし、実際深夜に6時間、ページを繰る手を止められなかったのですが、この作品の真価はそこにあるわけではありません。


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