水郷めぐりとは
水郷めぐりは、琵琶湖のほとりの「水の道」を船でまわる観光コースです。もとは田んぼや畑の間を移動する手段だった船と水路が、現在は観光のために開放されているわけです。
水郷めぐりをやっている団体は全部で4つ。このうち手漕ぎ船を使っているのは2つで、その中から、元祖を掲げる近江八幡和船観光協同組合さんの船に乗ってみることにしました。
アクセスや料金、営業時間などは組合のサイトをご覧下さい。大阪駅からだと新快速で1時間、そこからバスで10分ちょっと。私たちが行ったときは、15時からの定期便に乗って1時間20分程度船に揺られて一人2,100円でした。
乗ってから船頭さんに聞いたところによると、ここが元祖なのでコースがいいそうです。具体的には、桜の木の下を通るのはここだけだとか、乗っている時間はずっと船を漕いでおり、時間稼ぎのための休憩をする必要がない充分な長さがある、など。実際に他の団体の船に乗ったことがないので比較はできませんが、こちらの水郷めぐり、充分に楽しませてもらいました。
ちなみに、このサイトで取り上げている他の水景色は、水そのものの美しさが目立っていることが多いのですが、今回は少し毛色が違っています。水は濁っていますが、水と人間の生活がうまく調和しているところがポイントになっています。
水郷めぐり
バス停を降りるとすぐに乗り場が。ここで順番を待ちます。
まさにスローライフなフレーズ。コースは約4kmで1時間以上かけますから、徒歩より遅い。まさに「日本で一番おそい乗物」。
船は6人乗り。船頭さんのはっぴと傘がいい感じ。
出発してすぐの間はコンクリートの岸ですが・・・(元々はこの部分、豊臣秀頼(だったかな?)が整備した箇所なのだそうです)
すぐにヨシの茂る昔さながらの風景に囲まれます。このヨシは、今も毎年野焼きをしているそうなのですが、焼け残ってしまうヨシもあるそうで、その部分は次の年にも枯れたヨシが残ってしまうのだそうです。写真の一部で茶色くなっている箇所がそれ。
視界が低くなることとあいまって、しばらくは近代的な物体がまったく見えません。それに音も、船頭さんのお話と水の音、鳥の声だけ。たまに車のエンジン音が遠くに聞こえるくらい。気候もとてもよかったので、とてもリラックスできました。
桜の木。春はきれいなんでしょうね。緑の葉もきれいでしたが。
この橋は時代劇の撮影によく使われるそうです。すべて木でできているわけではないそうですが、雰囲気は充分ですね。
遠くに見える低い丘が安土山。この地域では、今でも漁業が行われているそうで、小さな船が時々岸につながれているのを見ました。獲っているのはコイとフナで、メインはやはりフナだそうです。鮒寿司ですね。
ふつうの木ですが、根っこがマングローブのようになっていました。この写真ではわかりにくいかな・・・
またしてもいい感じの橋が見えてきました。実際はコンクリートの橋らしいですが、いい趣です。
ほんとにのんびりとリラックスできた1時間20分でした。水を漕ぐ音と船頭さんの説明だけが聞こえ、同じような風景がずっと続く「日本一おそい乗物」ですが、私には充分味わい深い体験でした。今回のような気候のいい時期にまた来てみたい。