<2018年4月30日更新>
任天堂がゲーム機Switch用に発表したNintendo Labo(ニンテンドーラボ)。Switchとダンボール工作を組み合わせた遊びです。
この説明だけでは何のことかまったくわからないと思いますが、とにかくそういう「今までになかったまったく新しい遊び方」なのです。
このニンテンドーラボの4月20日の発売を前に、東京と大阪で、小学生とその親を対象にした体験会が実施されました。2018年2月24日、このイベントの大阪初日に小5の長男と運よく参加できたのでその様子をお伝えします。
会場へ
△会場はJR大阪駅のすぐ北にあるうめきたSHIP HALL。
△完全招待制。
この回は親子15組だけでした。「抽選の結果」ということで、我ながらよく当選したな・・・と思いますが、申込時にTwitterアカウントの入力が必須だったので内容確認があったのかもしれません(たいしたツイートはしていないのですが「まずいこと書かない人かどうか」くらいの確認はあったのかも)。
△会場の様子。
開始20分前に入場したのにもうすでにほとんどの親子さんたちが来てらしてました。
ダンガリーのシャツの人たちが任天堂のスタッフさんなのですが、親子よりも多いくらい。この手厚さに任天堂の力の入れ具合を感じたり。あとメディアの方もいらしてました。
△本日のプログラム。
「リモコンカー」「つり」「Toy-Conガレージ」「いろんなToy-Conであそぶ」の4つ。
△席の様子。
1テーブル4組。席にはSwitch本体1台とJoy-Con(コントローラー)2組、ダンボールをデコるための材料と道具が用意されています。
つまり会場にはSwitchだらけなわけで、長男が「こんなにSwitchがたくさんある場所はじめて見た!」と感心すると任天堂のお兄さんお姉さんが笑ってました。
着席後すぐ、撮影同意書(親子の写真や動画を宣伝広報に使用)に記入し、案内文(写真動画撮影・SNS投稿可、ただしゲーム画面のみの接写はNG)を確認。
15時になり、体験会スタート。まずはリモコンカーから。
リモコンカー
△作成開始。
ダンボールキットが配られるのでそれを手で切り抜いていきます。最初、長男も私も慎重にやってましたが、慣れるとパカパカはずしていけます。
最初に感心したのは、Switch本体に表示されるつくりかた画面。これが本当によくできています。ダンボールの折り曲げ過程が動画で見え、早送り・早戻しも可能。かつ、3Dで好きな角度から確認できるのです。
なので作成過程でわかりにくいところがあっても「ここを折り曲げるのか」「このとき後ろはこうなっているのか」などいろいろ確認できるので、作成中の失敗が激減します。
技術的には特別なものではないのでしょうが、工作が苦手な私はまずここに感心しました。長男も「これ自体がおもしろいよねー」と絶賛。個人的には、これを教育に応用(特に数学と理科)したら理解が今よりも進む子どもも多いんじゃないかなとも思いました。もうあるのかな。
△ダンボール部分は7分くらいで完成。慣れたら半分くらいの時間でもできそう。
△Joy-Conをくっつけて完成。
車輪もないのになぜ動くのか?これはJoy-Conの振動のためなんですね。細かい振動がダンボールをふるわせ細かい「歩き」となって前に進む。
なので片方のJoy-Conだけを振動させることでカーブもできます。ただ、バックはできません(これが絶妙なゲーム性につながるのですが、それは後述します)。
Switchが発表されたときには、Joy-Conを取り外せるギミックに「便利だな」「なるほど」とは思ったけど、こんな使い方が想定されていたとはまったく予想できませんでした・・・
△赤外線追尾
さらに、自転車などの夜間視認用に使われている「反射板」の素材(だと思う)を追尾させることもできます。Jyo-Conについている赤外線センサー(モーションIRカメラ)の応用ですね。なるほど。
リモコンカー追尾@ニンテンドーラボキャンプ大阪初日
△動画。追尾できてるかどうかちょっとわかりにくいですが・・・
△この反射板を並べてリモコンカーを誘導することもできます。
さらに、二人対戦モードもあり、1台のSwitchを二人で操作し、2台のリモコンカーを競争させたり相撲させたり。
写真は撮り忘れましたが、それは長男との相撲に熱中していたせいです・・・
△本日の参加者によるデコリモコンカー。こんなふうにデコるたのしみもあります。
つり
10分の休憩時間(お菓子付き)を挟んで、次は「つり」です。
△パーツ。一部はすでに組み立てられています。
△サクサクと組み立てていきます。
こちらは30分くらいかかりました。ここでもつくりかた画面のわかりやすさに感激。いつのまにか長男と私が役割分担し、間違いに気づくと教え合う。もう私たちは親子ではなく同級生です。この過程も楽しいんだよなあ。
△完成!早速遊んでみます。
つり@ニンテンドーラボキャンプ(体験会)大阪初日
△動画
写真・動画では少しわかりにくいのですが、Switch本体が「海」になり、画面の中には釣り糸・釣り針があり魚がいます。その魚がエサに食いついたときに釣りざおを上げリールを巻くと魚が釣れる。そういうゲームです。
ダンボールの釣りざおでなんでそんなことができるのか?そういう疑問も、Switchの画面で「わかる」を選択すると知ることができます。対話形式でこの遊びの仕組みを解説してくれています。
さおに入っているJyo-Conでさおの動きを感知し、リールに入っているJoy-Conで巻き上げを感知することで画面が変化することが丁寧に書かれていました。このふたつで「魚を釣る」動作を画面に伝え、画面はそれを描いているわけですね。なるほど!
でも、そうすると、釣り糸は必要ないのでは?
そんな疑問にもちゃんと解説がありました。釣り糸がつながっている箱(Switch本体を置く場所)には輪ゴムがつけてあります。さおを引き上げたとき、これによって魚を釣っている感触を演出しているんだそうです。ちゃんと考えてあるんだなあ・・・
この「わかる」プロセスもニンテンドーラボの楽しみの柱のひとつなんだなと実感。
Toy-Conガレージ
その後は、最初につくったリモコンカーの応用。紙のお皿にJoy-Conをつけてハンドルをつくります。
どうやって?Switchの画面で、シンプルなプログラミングのような設定を行うのです。
このコーナーだけは写真撮影NGだったので説明が難しいのですが、画面上で「入力」と「出力」のボックスにそれぞれ設定を行い、それを結びつけることで一連の動作を実現する仕組みです。この過程はタッチによる選択だけで完結します。
このことで、Joy-Conをつけた紙皿を左右に回すとリモコンカーが左右に動いたり、お皿を裏返すとリモコンカーが止まったり、そういう仕組みを自分でつくることができます。
これは一種のハードウェア操作のプログラミングですね。今後、これについてのアイデアが世界中で生まれ、YouTubeなどで共有されるんだろうなあ・・・最初から他力本願ですが、私がこれを見て最初に感じたことはその可能性の広がりでした。わくわくします。
最後には、同じテーブルの4組で、リモコンカーによる競争やみんなで協力してボールをゴールに入れる遊びに熱中。親子同士でで大盛り上がりでした!ここでは「ともに遊ぶ」楽しみが爆発していました。
ちなみに、リモコンカーが「前進はできるがバックはできない」という制約が、この遊びをさらに熱くさせていたように感じています。結果的にゲーム性が高まっているのですよね。たまたまかもしれませんが興味深かったです。
いろんなToy-Conであそぶ
「バイク」「ピアノ」「おうち」
次は、「バイク」「ピアノ」「(不思議な生き物が住んでいる)おうち」3種のToy-Conで遊ぶコーナー。
△バイク。
長男はこればっかりやってました。レトロゲームファンの私としては、これってひざの上で「ハングオン」が実現してるな・・・と感慨深かったです。アクセルふかしたりウィリー走行もできます。
△ピアノ。
△おうち。思ったより人が集まっていました。
ロボキット
最後は、くじで選ばれた男の子一人が「ロボキット」を体験。
△ロボット
これがすごかった!
自分がロボットになり、画面の中のあらゆるものを壊していくゲームなのですが、ただ壊すだけでも気分爽快なのに、手を広げると空を飛び、しゃがむと車に変身。
さらに、頭についているバイザーをおろすと(ただのダンボールの枠なのですが)、画面がリアビュー(自分の後ろからの視点)から自分視点に切り替わるのです!
これ、事前にネット動画で見ていましたが、実際のプレイヤーの動きと大画面とを目の当たりにすると想像以上のすごい迫力です。
子どもたちも親御さんたちも一緒に応援している一体感もすごかったなあ。まるで演技スポーツの会場のよう。
これをSwitchとダンボールとひもだけで実現しているとは本当に恐るべし。
最後は入場時に撮ってもらったチェキをいただき、みなさんと記念撮影をして終了。18時でした。
来る前は、正直3時間はしんどいかも・・・と思っていたのですが(あまり体力がないほうなので)、まったく飽きることも疲れることもなく興奮気味の、まさに小学生の気分で過ごした3時間になりました。
スタッフのみなさんの明るく親切なサポートと密度が高く完成度の高い企画も実に素晴らしかったです。本当にありがとうございました!
おもしろかったところ
実際にニンテンドーラボを経験してみて、事前に動画などを見ていた段階では気づかなかったおもしろさをリストアップしてみます。
- つくりかた画面のわかりやすさ
- 最初に感心したのがこれ
- つくる過程のおもしろさと安心感
- 子どもと一緒に何かをつくるのはラボでなくてもできるけど、そういう経験が普段あまりないのでとてもいい機会になった
- 長男も私も手先が器用ではないけどスムーズに作成できたのでほっとした
- 他の人たちとの遊びで感じた懐かしさ
- ビデオゲームの多人数プレイとは違う何かがある。懐かしさを感じる。
- アナログならではの制約やアクシデントがさらに遊びを熱くさせる
- つくった後の「わかる」の気持ちよさとワクワク感
- 仕組みの「なぜ?」が「わかる」と気持ちいい。
- これも普通のビデオゲームとの大きな違い。ビデオゲームは「プログラムでしょ」で納得してしまう(そのプログラム自体本当はすごいものなんだけど)
- わかる楽しさと、それを次にどう応用しようか?というワクワク感
- 仕組みの「なぜ?」が「わかる」と気持ちいい。
- 今後の広がりへの期待
- 世界中のアイデアや才能がこれから何を見せてくれるかと思うと楽しみでしょうがない(これは以前から感じていたことではありますが、実際に子どもたちが楽しみ熱中する姿を目の当たりにしてさらに強く感じるようになりました)
総じて感じたのは、この遊びは「やってみないとわからない」要素が多いなってことです。だからこそこのような体験会が行われたんですね。
気になったところ
一方で、気になったのはやはりこれです。
- ダンボールの強度
- リモコンカー対戦の時点ですでに少し倒れやすくなっているカーがあったりした(ダンボール強度とは別の原因だったのかもしれないけど)
- ただその後スタッフさんが何かの処置をして復活していたので、補強の方法もあるのかな?どんな補強をしたのか質問すればよかった
- 長男も「ダンボールだけスペアを別売りしてくれたら安心」と言っており同感
他、「気になったところ」ではなく「悩み」ですが、5種類のToy-Conが入った「バラエティキット」とロボットだけの「ロボキット」のどちらを買うべきか・・・体験会の帰り道、長男との会話はこれ一色でした。そもそもまだ買うかどうかをお母さんに相談していないんですけどね。
ただ「楽しかった」「感動した」だけではなくて、久しぶりに「これから何かすごいことが起こりそうだ」という感覚になれたイベントでした。本当にこれからが楽しみです。
(4月30日追加)
関連メモ
ゲーム関連イベント
ナムコ関連
オールドナムコファンなので。