宿泊出張の翌日、休みをとりました。宿が町田だったので近くにおもしろそうなところないかなと探してみるとここが。以前から行ってみたかったところなのですが、町田市にあったとは知らなかった。
小田急線の鶴川駅からゆるやかな上り坂を徒歩15分くらい。
Cafe、Bar "Play Fast"
最初にカフェが。
ペイジ・グレンブルック。白洲次郎が中学生(!)の時に乗っていたものの同型車(実際に乗っていた車ではありません)。
これがでーんとあるので、第一印象はカフェというより「クラシックカーの展示場」。
カフェを過ぎると門があり、そこを抜けた右手がバーとレストラン、正面がミュージアム(次郎・正子の家)。
左がレストラン、右がバー。
バーは実際に当時使われていたようで「GENTLEMEN ONLY」などの表示も。次朗がマッカーサーに贈った椅子のレプリカなど展示物もありました。
レストランは白洲次郎にちなんだカレーなどおいしそうな洋食がメニューにありましたが時間がなく断念。
ミュージアム
ミュージアム正面。
入り口。靴を脱ぎます。この季節、靴下でタイル張りや板張りの部屋を歩くとやはり冷えますが、邸内の見事な和洋折衷のたたずまいと興味深い展示物のおかげで、さほど気にはなりませんでした。
展示物の一部:
- 次郎の遺言書(有名な「葬式不要 戒名不要」だけのシンプルなもの)
- 鎌倉時代の壺(その他、年代物がたくさん)
- 吉田茂から贈られたステッキ
- 昭和天皇の署名入り写真
ある部屋には、一面にたくさんの陶器が展示してありました。北大路魯山人とか。またその隣には、正子の着物が。
もっとも興味深かったのは、正子の書斎です。家の北側の隅にある狭い一角で、まるで倉庫のような場所。でも無駄のない機能美のようなものも感じられて粋です。もと伯爵家の令嬢で、旦那さんも大学時代の仕送りが現代の貨幣価値で年4000万円(その後親の事業は破産しますが)というけた外れな資産家夫婦だけれども、いや、だからこそ、行き着く先はこういった「倉庫のようだが粋」という境地なのかもしれません。
特に本棚にはしばらく見入りました。近江や奈良に関する書物など正子らしいものももちろんですが、河合隼雄の本がわりとあるのが意外。と思ったら二人は対談しているんですね(あとで知りました)。
あと、座布団にほど近いところにドストエフスキーが集まっていたのが印象的でした。本が古くすすけているので背表紙が読めなくなっているものには手書きで「未成年」「白痴」「罪と罰」と書かれているのですがそれが次郎の遺言の筆跡に似ていて、いいなあと。
(書斎その他の、通常撮影不可な場所の写真はこちらで観られます。)
茅葺屋根から囲炉裏、手づくりの家具まで白洲次郎の旧邸宅「武相荘」で、日本の美と調和に触れる休日 | 街情報が満載の不動産・住宅情報サイト【HOME'S/ホームズ】
散策路
ミュージアム正面の竹林。
散策路。1分もあれば歩けます。何の変哲もない、けれど味のある道です。
帰りに、入り口脇のショップでは書斎の絵はがきを買いました。
印象
観るところがものすごくたくさんあるというわけではないけれど、そこにいるだけで何か凛としたものを感じる場所でした。入場料1050円も、入る前はちょっと高いなと思っていましたが中に入ってみると納得。
今度は食事もいただけるよう、きちんと時間を確保してから来ることにします。
公式サイト:旧白洲邸 武相荘 Buaiso