東京出張明けに休みがとれたので、普段行けない東京の美術館・博物館に行ってみようと思ったものの、成人の日の次の火曜日ということでどこも閉まってる・・・
そんな中、開いていて、好きなラファエル前派の画が観られて、関西に巡回しないという今日の私にうってつけの展覧会がありました。しかもリヴァプール国立美術館からの画です(ビートルズファンなのでそれだけで喜びます)。
公式サイト:リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展 | Bunkamura
気に入った画
(画像はすべて二次使用可能なウィキペディア・コモンズから引用しています。コモンズにない画は美術館の画像ページへのリンクを設けました。)
ジョン・エヴァレット・ミレー「春(林檎の花咲く頃)」
あと、右端の鎌が死を暗示しているとか、そういう表現も。そのあたりの楽しみ方は、この本で学びました。
ジョン・エヴァレット・ミレー「ブラック・ブランズウィッカーズの兵士」
実物を見て、女性のドレスの質感に驚きました。間近に観ても実になめらか。
逆にウォーターハウスは意外に筆遣いが荒っぽいことが実物を観てわかったりもしました。印刷物やwebで観ている分にはわからなかったし、たとえ筆遣いが少々荒くても魅力的な作品だってことは変わらないのですが。
ジョン・メリッシュ・ストラドウィック「聖セシリア」
(画へのリンク)
筆遣いの緻密さという点ではこれが一番美しかったです。
エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ「スポンサ・デ・リバノ(レバノンの花嫁)」
門外不出らしいこの大作を観られたのも収穫でした。女性の表情や構図にポスターっぽさを感じます。それも、人によっては「通俗的」に映ってマイナスなのかもしれませんが、私にとっては「ポップ」でプラスです。ミュシャも同じ理由で好きです。
少し話はそれますが、この画は旧約聖書の「雅歌」を題材にしています。この「雅歌」は若い男女の恋愛をわりと官能的に描いたもので、最初に読んだときから「これって聖書の中に入ってていいの?」と思っていたのですが(あとで知ったのですが、この書には「神」という言葉も一度も出てこないのだそうです)、その分絵画の題材には適しているのかもしれないなあとこの画を見て思いました。
参考:雅歌・全文
ジョン・ロダム・スペンサー・スタナップ「楽園追放」
ポスターっぽいといえばこちらはこの展覧会の筆頭でした。解説によると、発表当時も遠近感がおかしいとかいろいろ批判されたようですが、いい意味でまんが的で気に入りました。
ウィリアム・ヘンリー・ハント「卵のあるツグミの巣とプリムラの籠」
(画へのリンク)
PCで観ると「茶色い画」ですが、実物はいつまでも眺めていたくなるような「青い画」でした。
その他
トイレの場所を訊いたりオーディオガイドを薦められたりでBunkamuraミュージアムのスタッフの方数名と少し言葉を交わしましたが、みなさんから「訓練された丁寧さ」を感じました。百貨店のノウハウが生きているんでしょうか。普段行く美術館では感じない種類のホスピタリティでした。