庭を歩いてメモをとる

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吉田修一「さよなら渓谷」

さよなら渓谷

[物語]
ある渓谷にほど近いひなびた集合住宅。隣家の幼児死亡事件をきっかけに、男の隠された過去が知られていくようになる。女は、なぜそのような「過去」を持つ男と一緒に暮らしているのか?

[感想]
普通に考えるともっともありそうにない男女の結びつきを、小説の力で納得させようとする意欲作、と私は見ました。著者はチャレンジしたかったのかな。その挑戦がどこまで成功しているか・・・私個人としては、「よくがんばっているが、腹には落ちない」という感じです。

ではなぜそのような小説をこのメモに残したのか?(このメモには原則、おもしろかったものかおもしろそうなものを綴っていきたいと思っています)一気に読ませるだけの物語の力と、暗い人間心理・暑苦しい描写と涼やかな渓谷の描かれ方の対比が楽しめたからです。

著者の他の本も読んでみたいという気にはなりました。


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