庭を歩いてメモをとる

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吉村喜彦「ビア・ボーイ」

ビア・ボーイ

引き続き、先日のイギリス研究会で話題に挙がっていた小説を読んでみました。

職業を描いた小説っておもしろい、と紹介してくれた方は言っていました。たしかにこの本では、酒造会社の営業職を疑似体験できます。洋酒ではNo.1だがビールではシェア最低の「スターライト」社宣伝部の若手社員が広島の営業に転勤させられた後の奮闘記。それをサントリー宣伝部での勤務経験のある著者が書くのですから、リアリティを感じます。
わざと時代をぼかして書かれていますが、おそらく80年代前半なのでしょう。ビールで圧倒的なシェアを持つ「ライオン」にいかに対抗していくか、担当エリアでいかに卸や酒屋を味方につけていくか、そして若手サラリーマンとしての仕事についての思い・プライド・・・そんな模様がテンポよく綴られています。

後半のストーリー展開は、やはり娯楽小説だな、と思わせるものでしたが、楽しく読めたことには変わりありません。もちろん、ビールを飲みながら読みました。


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