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ザ・ビートルズ+シルク・ドゥ・ソレイユ「LOVE」鑑賞記(ネタバレなし)

さて、ついにその時が来ました。ホテルでK君と合流し会場のホテル・ミラージュへ向かいます。



ホテルに入っていきなりLOVEチケット専用公衆電話。これ、実は舞台に出てくるんですよね・・・この時はそんなことも知らず喜んで写真を。



カジノのマシンにもサインボードが。二人でヒートアップしてきました。



ラスベガスでは、どのホテルもカジノを通らないとどこにも行けない・何もできないような仕組みになっています。チェックインもできないし食事も難しい。ましてや「LOVE」のような目玉ショウのシアターは・・・と考えあまり何も考えずカジノを突き進んでいくと、チケットカウンターが見えました!



入場通路。念のため2時間前に来たのでまだ誰もいませんが、これだけでビートルズ後期のイメージをうまく表現してるなと感心しきり。



柱を見ると、シルクとアップル・コアのマークが。



脇のスロットマシンにも「LOVE」。でもマシンそのものはノーマルみたいでした。



さらに向かって右側に行くと、バー"REVOLUTION"が。店名のアルファベットがそのまま壁になっているのですが、そのアルファベットには座れます(例えば"U"の谷間が椅子になっている)。



店に入ると、いい感じのフォントでビートルズの曲名が!



さらに、その文字の向こうにはさらに曲名が。しかもよく見ると、ビートルズが他人にあげた曲の名前なども含まれておりなかなかに芸が細かい。しかし、肝心のお酒は普通のものばかりで、ビートルズにちなんだカクテルなどはありませんでした。まあでも一杯やろう、ということでK君とビールを。



会場前に戻り、入り口脇のショップへ。いきなりLOVEバイク。しかしこれは序の口でした。



中に入るとこれですよこれ。Fab Four全員のサイン入りヘフナーベース。うわあ。



ブルー・ミーニー。



わりと実用系のスーベニアが多いです。私は子供服などを買いました。



あっという間に18時半。2時間前に来てよかった。通路を進んでいきます。



ここで記念写真撮ってる人が多かったなあ。



中のお店にはちゃんと曲名にちなんだカクテルがありました。ここで私は9ドルのSサイズを頼んでしまったのですが、16.5ドルのLサイズだとカップにビートルズとLOVEのロゴが入っているのです。明日はLにしよう。



軽く飲んでから席に向かいます。カバンチェックなどはないですが、目的の座席エリア(エリア毎に区切られていてエリア間の移動はできません)に入る前に係員から「録音録画はだめですよ」と念を押されました。

席は一番奥でしたが、結果的にショウを俯瞰するにはこれでよかったと後でわかる位置でした。自席着席後すぐ、かつてポールがプレミアショウで座った席、208エリアのO(オー)列7番に行き、さらにそこにしばし座って震えます。ああ・・・ちなみにポールの席を知ったのはチケット取得後でしたが、偶然同じエリアだったので行くことができたのです。チケットとってくれたK君に感謝。

私はライブの開演前20分は目を閉じて瞑想するのが常なのですが、今回そうしていると会場に流れている超高音質「ビートルズオリジナル音源カラオケ」に耳をうばわれっぱなし。これはここでこのタイミングでしか聞けないんだろうなあ。なんと贅沢な。



そしてショウは始まりました。

打ちのめされました。かなり期待して行ったのですが、それでも。シルクも本当にすごいけどさらに「主役」になっているビートルズはやはり奇跡だ。

シルクのパフォーマンスは本当に凄くて、前日に観たオウと比べても同等以上(世間的には「オウ」のほうが圧倒的に上という声が多いようですね)だったけど、ビートルズの音楽やメンバーはそれ以上だった。ビートルズが主役の、ビートルズのショウになっていたのです。これは完全に予想外でした。1日目のエントリにも書いたように、「ビートルズの音楽をフィーチャーしたシルク・ドゥ・ソレイユのショウ」だと思っていましたから。

音楽はどうだったか。「LOVE」のCDを聴いただけの時は、嫌悪まではしないまでも、ビートルズの音楽をこねくり回して遊んでいるみたいな印象がぬぐえませんでした。まあこういうのもありなんだろうけど好きじゃないな、そもそもなんでこれがビートルズの作品なんだ・・・と。むしろアレンジを主に担当したジャイルズ・マーティンの作品のように感じられました。

それが、ショウで聴くと、ビートルズがにやりとしながらアレンジしそこで弾いているように聞こえたのです。ビートルズの音楽として。「好きじゃない」音源が「まるでビートルズのライブみたい」に感じられたわけです。激変。ポールとリンゴがこの音楽とショウにOKを出した理由が腹にどしんと落ちた次第です。「LOVE」のCDはショウを観た人限定で売ればいいのに、とすら思ってしまいました。

しかも反則技みたいな超高音質だったんです。いや、高音質と言うより、ライブっぽいんですよね。特にリンゴのドラムが生の迫力。だからさっきCDの印象が激変したとは書きましたが、この旅の後家でCDを聴いてみると、内容への印象はよくなったとはいえ、音の迫力という点ではショウとのあまりの違いにがっかり。シアターの座席ごとにスピーカーをつけ個別にチューニングしているのもさもありなんって感じでした。

シルクも本当にビートルズをよく研究して妥協なくやってくれたと思います。それぞれの曲の世界観や歌詞を的確に理解したパフォーマンス。かつそれが目を疑うような「曲芸」で構成されるわけです。ウォルラス、ルーシー、ヘルプ、カイト、レボリューションが特に印象に残っています。他も凄かったですが。

これは確かに映像メディアでは伝えられない内容だと痛感しました。視界のあちこちで広げられる人体と見事なセットによるスペクタクルな演出はパッケージには到底入りきらないでしょう。スペクタクルではないシンプルな舞台ではその息づかいが感じられないのかもしれません。DVDが出ないわけだ・・・(といいつつ一応参考に:「LOVE」公式サイト(トレイラーが見られます)

生の観劇(と言っていいのか)で落涙したのは初めてです。それ以外でもめったに泣かない私ですが、こいつにはやられました。序盤のゲットバックで「ビートルズが現れた」時と、中盤で「このパフォーマンスと音楽が同時に体験できる幸運」と、「このシルクのパフォーマンスを抑えて主役を張れているビートルズの存在」に感謝した時に。

このためにラスベガスまでやって来て大正解以上でした。実はすごいものだと教えてくれた先達の方々、行かせてくれた家族と同僚、企みに乗ってくれた同行のK君、本当に感謝です。もちろん明日も観に行くことがその場で決定。チケットを買って帰りました。



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