※会場のアナウンスでは「録音・録画・ビデオカメラ・プロフェッショナルカメラによる撮影は固くお断りします」とのことでしたので、iPhoneで撮影したものです。
当日は残念ながら雨、私も風邪を引きずっていました。しかしこのライヴが終わった後、両方とも吹き飛んでいました。
行く前は、ビートルが観られる・聴けるというのが当初このライヴに足を運ぶ最大の理由でしたが、行ってみたら、それも吹き飛びました。
TOTO(Steve Lukather)とMr.Mister(Richard Page)。80年代洋楽は私の10代の音楽です。当時、既にビートルズは教科書にも載っている「伝説」。そのころのミュージシャン達とビートルズには大きな距離を感じたまま今に至っていたのですが、このライヴではそんな距離は一切感じませんでした。様々な時代を彩った才能がリンゴという核によって成立していた、極めて「楽しい集団」でした、このバンドは。このことにまず驚きました。みんなが物理的にも音楽的にも同じステージにいたのです。
Richard Pageの声の変わらなさには男性の私もうっとり。"Kyrie"の盛り上がりがこのライヴの中でもトップクラスだったと感じたのは私だけではないはずだ("FM STATION"風)。
Todd Rundgrenはまさにエンターテイナー。まるで小さな子どもみたいにじっとしていないし、ときおり雄叫びを上げたり。全身で音楽を楽しみ、オーディエンスを楽しませる。その音楽からして、マニアックで気難しいと人だと思っていたのですが実態は正反対。音を楽しみ楽しませる「全身音楽家」でした。"I Saw The Light"がこのメンバーでしかも生で聴けた幸せよ。
Mark Rivera。Billy Joelのバンドで「"Allen Town"で鉄骨を叩いていた人(それくらい何でもやる芸達者なミュージシャン、という意味です)」のイメージが強く、そのサックスも相変わらず見事でしたが、今回の"Rosanna"の高音ヴォーカルには驚かされたなあ。
そしてRingo。こんな素晴らしいミュージシャンたちをまとめて、素晴らしい音楽を届けてくれただけでなく、もちろん自身も歌い、叩いて楽しませてくれました。そう、とにかく楽しい。できれば一人だけでドラムを叩くのも聴きたかったけど。何より終始上機嫌だったのがファンとしては嬉しかったし、ああほんとにこの人はショウマンなんだなって感じ入った気持ちの前では不満もなくなります。最後の"Give Peace A Chance"の途中でふっといなくなってしまうのには「えっ、これが最後・・・」といういたたまれない気持ちと「Ringoらしいなあ」というほほえましい気持ちの両方を感じました。
これはとびきり上質の、完成度がすごく高いショウでもありました。大物が集まり十分に練り上げられた舞台、だからほぼ定刻に始まりアンコールもなく終わったのかな、とも思ったり。とにかく、Ringo、本当にありがとう。
アンコールはなかったけど、終演後は仙台、埼玉から来た友人を大阪の友人とともにお迎えしつつお好み焼き屋へ。「With a Little Helpはオリジナルキーで歌ってくれましたねえ」など同じ思い語ってくれる方々と余韻を楽しめたことにも感謝。
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