庭を歩いてメモをとる

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Ryuichi Sakamoto Playing the Piano featuring Taeko Onuki at Osaka

教授と大貫妙子さん。いったい何をやってくれるんだろう。

一方で私は、教授はともかく、大貫さんの曲は「いつも通り」と「メトロポリタン美術館」しか知らないという体たらく。いいのか?と思いながら、タイトルからして教授中心だろうと信じて足を運んでみました。

教授が一人で登場。twitterでJRの人身事故でこのライヴに行けなくなっている人がいることを知り、開演時間を10分遅らせた上MCを多めに入れることで遅れた人に配慮したとのこと。ただ新しいものに関心があるだけでなく、それを的確に活用していること、そして何よりその心遣いに感心。

最初はアルバム"Out of Noise"から"Still Life""In the Red""Nostalgia""Tama"。こういうサウンドコラージュ的な曲をライヴでやるのってどうよ?と思われるかもしれませんが、やはりライヴにはライヴのよさがありました。当たり前のことですが、ピアノの音が素晴らしく響いているんですよね。普段MP3しかも128kbpsで音楽を聴いている身には感激でした。また、一曲一曲に教授が丁寧な解説を加えてくれるのも作品理解に役立ちます。特に、"In the Red"が、教授がNYで見たニュースで火事ですべてを失った人が「でも生きているから(なんとかなるよ)」という一言がきっかけで作られた曲であり、実際にその言葉を許可を得た上で作品に使用していると知って、この曲がますます好きになりました。

それからは教授の気の向くままに、"A Flower is not a Flower"など、渋めの曲が続きます。直近のピアノソロツアーと違って今回はピアノが一台、つまり演奏を記憶させたピアノがない分、エモーショナルで大胆なアレンジが聴けました。特に、(渋めじゃない有名どころですが)"Energy Flow"と「美貌の青空」では、崩壊寸前のアレンジ(ほめてます)がすごい。教授自身も「弾いていたらこんなになっちゃいました」と。

そしてついに大貫さん登場。まずは「色彩都市」(この時初めて聴きましたが見事な曲ですね)。ここで教授は、一転してピアノ伴奏者に早変わり。ほんとに器用な人だなと思います。一方で大貫さんは、この曲、そして次の曲では高音が出し切れていなかった感があるものの、"Tango"と「鉄道員」では、この人だけの声質、この人だけの表現で教授の曲を歌い上げていました。私は「メトロポリタン美術館」だけで、大貫さんってメルヘンな人かなと勝手に勘違いしていたのですが、ステージ上の大貫さんは凛とした貫禄のある歌い手でした。ここで、来年大貫さんが教授の曲を歌うアルバムが予定されていることがお披露目されます。これは楽しみだ。ここまでの高みに来て次は何を?と思っていたらここでライヴ本編は終了。

アンコールその1は、再び教授のソロとなり、映画音楽特集。"women without men"のような最新の曲から、"The Last Emperor""Merry Christmas Mr.Lawrence"の定番まで。こちらも情感たっぷり、でも音の粒ぞろいはソリッドな演奏で。

アンコールその2は、大貫さんも登場!曲名がわからないのが本当にもどかしいのですが*1、この素晴らしいライヴを締めくくるにふさわしい圧巻の2曲でした。

客電がついてもしばらく鳴りやまなかった拍手が、次のアルバムの出来を予感させてくれる気がします。とにかく、素晴らしい土曜日の夜をありがとうございました、教授にター坊。

*1:「突然の贈り物」と「風の道」だそうです。


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