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中田ヤスタカはどんな音楽を聴いてきたのか?−坂本龍一×中田ヤスタカ(サウンド&レコーディング・マガジン 2012年11月号)

Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2012年 11月号 [雑誌]


もう出版されて2年近くたっているので、二人またはそのどちらかのファンの方はとっくにチェック済でしょうけど、私は今ごろ、やっときちんと読みました(発売当時は立ち読みだけ)。

で、中田さんがどんな音楽を聴いているのかに主な興味があったので、関連する箇所をメモします(私は中田さんに関する情報に今までほとんど接していなかったので、ファンの方には既知の話が多いかもしれません。)。


中田ヤスタカ作品のバックグラウンド

  • 中田:(中学生の時)父親が音楽好きで、「リトル・ブッダ」は音楽目当てで既に見ていたんですけどね。
  • 教授:お父さんは音楽家ではない?
  • 中田:趣味で音楽を聴くのが好きなだけで。

(中略)

  • 教授:ピアノはどのくらいやっていたの?
  • 中田:小学生までですね。家にアップライト・ピアノがあって、近所のピアノ教室に通っていました。

やはりご家族に音楽に関心のある方がいらしたのですね。しかし音楽目当てで「リトル・ブッダ」ってお父様は教授のファンなのかな、なんて思ってしまいます。

一方で中田さんもYMOはこれを聴いていたと。

  • 中田:「テクノドン」を聞いたときには「うわっ、音いいな」と思いました。・・・きっと中学生のときに最も聴いたアルバムだと思います。


今は何を聴いているのか

  • 教授:他人の曲はどんなものを聴くんですか?
  • 中田:今は民族音楽ばっかり聴いています。作っている音楽と聴く音楽が全然違うんですよ。

(中略)

  • 教授:クラシックは聴く?
  • 中田:聴きますけど、満遍なく勉強している感じで。クラシック以前の古楽みたいなのも好きで、聴いたことのない音楽ってまだまだいっぱいあるなと思いました。

Perfumeとcapsuleの一部しか聴いていませんが、その範囲ではその「聴く音楽」の直接の影響は感じられません。でも、最近の曲ならcapsule/RETURNなどからは、ああいろんな音楽を吸収されているんだな、という間接的な影響は感じるかな(大好きな曲です)。このあたり、中田さんをずっとフォローしている方には中田さんが受けた影響や変化がよりはっきりとわかるのかもしれませんが・・・いずれにしても、中田さんの中では吸収したいろんな音楽が昇華されているのでしょうね。


あと、中田さんの聴いている音楽とは直接関係ないのですが、驚いたのがこれ。

歌詞について

  • 中田:音の響きのためだけに作詞をしている感じですね。
  • 教授:歌詞の意味は耳に入ってこないタイプですか?音としてとらえている?
  • 中田:そうですね。音楽が流れていても歌詞の方に耳はあまり行かないです。
  • 教授:僕も歌詞が全然聴こえない。音として聴いちゃうから。

これにはびっくりです。私も音楽を聴いていても歌詞はほとんど入ってこないほうなんですが(例外ももちろんありますが)、それでも中田さんの歌詞の繊細さと新奇性(造語含む)は素晴らしいと思っているので。「マカロニ」なんてその両方の魅力を兼ね備えた極地だと感じるんですけどね。むむむ。


以上、中田さんについていくつかのことがわかった反面、より謎が深まったような感覚もあります。もっと具体的なミュージシャン名とか曲名を挙げてほしかったなとも思います。でも何にしてもこれから目が(耳が)離せない人であることには変わりありません。教授はって?それは以前から目も耳も離していないつもりです。今はただ、ご快癒を祈るのみです。


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