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ベン・ハー

ベン・ハー 特別版 [DVD]

[物語]
冒頭、キリスト誕生のシーン。場面は変わり紀元26年。ユダヤの貴族ジュダ・ベン・ハーは、ユダヤの支配者ローマの司令官メッサーラと幼なじみ。久々のメッサーラユダヤ入りに際し友情を確かめあっていた彼らだが、メッサーラユダヤ支配を首尾よく行うためジュダに危険分子の密告を持ちかけたことでそこに亀裂が生じる。そんな中、ユダヤを行進するローマ総督を邸宅の屋上から眺めていたジュダと妹は、誤って屋根瓦を落下させ、結果的に提督を死に追いやってしまう。メッサーラはジュダの弁明に耳を貸さずジュダをガレー船をこぐ奴隷とし、ジュダの母と妹を牢に閉じ込めた。ジュダは、メッサーラに復讐を遂げることを誓う・・・

[感想]
午前十時の映画祭により、この作品をついに映画館の大スクリーンで観ることができました。感無量です。なぜなら、これほど大画面で観る意味がある映画もそうはないと思うからです。CGのない時代(1959年公開)なのに、観る者を圧倒する映像。巨大で手抜きのない建築、万単位のエキストラ、妥協のない衣装・小道具・・・いやいや大事なのはそういう個々の「スペック」ではなく、それらがこの作品で命を与えられ、生き生きと描かれていることでしょう。すべてが「本物」なんですよね。映画の持つ力を存分に味わわせてくれました。

そしてそういう「視覚面」のすごさにまったくひけをとらない脚本・演技。4時間があっという間の見せ場の連続に、家族愛、人間の尊厳、「力・復讐ではなく愛こそが問題を解決に導く」という価値観など、人類の普遍的なテーマをしっかりと組み込ませて、どれもはまり役としか思えない俳優陣が演じきる。これで退屈するわけがありません。いやすごいものを創ったもんです。観ている最中も、観終わった後も感じたのは、とにかくこの映画を創った人たちはすごすぎるってことでした。この映画を観るのは3回目なんですが、何回観てもそう思うんだろうなあ。

観終わって半日たつ今でも衝撃が残る作品でした。

(追記)
それほど大きな印象を残す映画だけに、(この映画への評価とはまったく別の話ですが)ジュダを演じたチャールトン・ヘストンがその後全米ライフル協会の会長を長年務めたことや、この映画で描かれている「傲慢な世界の支配者」ローマと今のアメリカの共通点などがとても皮肉に思えてきます。

あと、こういう作品を「味方」につけているキリスト教ってやはり強いな、とも思いました。イスラム教の理念を力強くわかりやすく描ききるような大ヒット映画があれば、イスラム教のイメージも相当変わるのでは?