私の「ニューシネマパラダイス」だった本屋さん
幼稚園のころ、引っ越しました。そのすぐ近くに本屋さん「いかるが書店」がありました。
そこはすぐに私の遊び場、そして学校になりました。特に小学生の頃は文字通り毎日足を運び立ち読み三昧。でも何も言われないどころか歓迎してくれました。もちろんそれなりに買ってもいたからですが。
昆虫図鑑、古代文明本、ドラえもん、シャーロック・ホームズ、手塚治虫、マイコン雑誌、FM雑誌、ジョジョの奇妙な冒険、村上龍作品・・・私の現在の関心の源、そのほとんどとここで出会えました。
20代半ばに一人暮らしをはじめてからはこのお店に通うことはなくなりましたが、このお店で出会えたものは私の血肉、身体の一部でありつづけました。ごくたまには足を運んで昔のように本を買うこともありました。
40代も半ばになり、このお盆に実家に帰り車でお店の前を通りすぎたとき、お店のドアに小さな張り紙があるのを見つけました。
明日、閉店。驚きというより、ついにこの日が来たかという気持ちでした。このタイミングで実家に帰っていた偶然にも感謝しつつ。
昔自分がこのお店でずっと親にしてもらったように、一緒にいた子どもたちが欲しがっていた本を手に取りました。それから、村上龍の小説や「ジョジョ」のスピンオフ、昆虫図鑑など、自分の思い出につながる本も。
それらの本をレジに持っていき、最後の買い物をしてからお店の方とお話をします。閉店の決断をされたのはごく最近とのこと。
お店の方のご了解をいただいて、記念に店内の写真を撮らせていただくことに。
頭の中ではずっと「ニューシネマパラダイス」の音楽が流れています。
お店を出るときは、お店の空気を胸一杯に吸い込みます。幼稚園の頃から変わらない、本屋さんのあのにおいでした。
このお店の支店は、今も営業されているようです。「ブラック・ジャック」の「ケヤキ太郎」のエピソードを思い出しました。実家からは少し遠いけど行ってみよう。そういえば「ブラック・ジャック」もこのお店で買ったんだった。(2021年追記:2018年3月末に閉店されたようです。)
2016年8月 再生回数上位曲
- Ennio Morricone / After The Destruction
- 薬師丸ひろ子 / 時代
- Ennio Morricone / Childhood And Manhood
- Ennio Morricone / Maturity
- Ennio Morricone / Love Theme
- Ennio Morricone / Cinema Paradiso [String Version]
関連メモ
映画館「ニューシネマパラダイス」に通い詰めたトトが映画をつくるようになったみたいに、本を仕事にはしなかったけど、好きなのは子どもの頃から変わっていません。