当時の感覚を思いつくままに挙げていきます。
来日発表
- 2016年の紅白でポールが登場した時は単純にうれしかった
- 前日から噂は聞いていたものの半信半疑だったんだけど
- 家族全員で観ていたので盛り上がったというのもある
- しかしすぐ、これは大変なことになったという思いもわきあがってきた
- かつてポールの来日は、自分の心身をほぼすべて没入する「10年に1度のお祭り」だった
- しかし最近は違う。この5年で4回!来日発表があってもそんなに驚かなくなっている。なんという贅沢。でもそれは自分の限られたリソースをどう配分するかという問題に直結する事態でもある。
- 年が明け公式サイトがオープンした頃には、少なくとも全公演は行かないでおこうという気持ちになっていた
- 「しんどい」思いのほうが強かったということ
- 2014年まではポールに全てを集中すること自体を楽しみ、それほどまでに捧げる対象がある幸運をかみしめ、それを自分のアイデンティティにしているようなところがあった
- 平たく言えばそんな自分に酔っている、演じているようなところもあった
- でももうそうするだけのエネルギーは自分にはないんだよ。それに気づいた。
- もちろんエネルギーがあれば酔う・演じるのも一つの楽しみ。楽しんで何が悪い、とも思う
- ピエール・ブルデューがいうように、趣味はつまるところ他人との差異化(ディスタンクシオン)のツール、という見方もあるくらいなのだから
- でも今回はそのためのエネルギーがなくなっていた
- お金もないし
- お金を理由にするようになるって熱が冷めてきたことの言い換えに過ぎないよなって自分でも思うわ
- ポール来日に対して自分がこんな冷静になったことが寂しい・・・
ドーム公演チケット
- 東京だけか・・・なら1日だけにしよう
- VIPはちょっと迷ったけど見送り(申し込みすらしていない)
- 2月23日18時からの座席が選べるSongkickでの発売。
- この一点集中でがんばろう
- 仕事も休んだ
- でも開始後あたふたしているうちにスタンドになってしまった。1階(ほぼ正面)なんでスタンドの中ではいいほうだとは思うけど・・・
- しょうがないか、と思ったら友人がアリーナB11(ほぼ中央の前から20列目くらい)をとってくれたのでご一緒することに。うれしかった。
- スタンド席も、友人がそのお知り合い(私も存じ上げている方だった)を紹介してくれて引き取っていただけてよかった
- チケットを引き取ってくださった方とは久しぶりのやりとり。こういう機会をもらえるのもポールライブの愉しさのひとつ。
武道館公演チケット
- 発表を聞いたときは「2015年のあの公演を最初で最後にしてほしかったのに」と感じた
- それくらい2015年のポール武道館は自分にとって特別な(今までに経験したすべてのコンサートというかパフォーミングアーツの中でも)もの
- あの場にいた他の多くの方もポール自身もスペシャル感はあっただろう。それほどの唯一無二な場だった
- なのでこれは今回の来日発表を聞いた時以上に複雑な思い
- とはいえ行きたいな
- でも高いしな・・・と友人たちとやりとりして、結果、4人でB席を申し込むことに
- 結果A席だった
- でも南西の、けっこうセンター寄りで、個人的には満足
武道館当日
- 日本到着のニュースを観た段階で心の盛り上がりはあった
- しかし自分の体調がよくないこともあり(前日も風邪で仕事を休んでいた)、テンションの上がり方は前回の武道館とは比べものにならない
- 晴れていたがけっこう寒かった。風もきつい。
- 開演直前に席につく
- ポール登場!
- うだうだ言ってたがやはり本人を目の前にするとすべては吹き飛ぶ
- あっという間の2時間
- 気がつくと2月下旬からずっと続いており数日前にピークを迎えていた風邪がほぼ治っていた
- ルルドの泉かよ
- まあそれだけの力がある音楽でありライブだよな
- とはいえ、やはり前回の武道館のような「唯一無二」の空気はなかった
- ポール自身もそう思っていると思う
- セットリストの特別感も、Junior's Farmで期待度がぐっと上がったけど、結局は・・・
- ポールのヴォーカルもちょっとしんどそうだった
- まあでも素晴らしいライブだったことは間違いない
- 友人と4人で英国風パブへ。ポールライブの後にしてはまったり感があり落ち着いて話ができた
- せっかくなのでマル・オブ・キンタイア近くでつくられたお酒を。
- 関連メモ
4月30日東京ドーム
- わくわくはしているんだけど、自分でもびっくりするくらい緊張感を欠いた状態で東京へ
- 当日昼にワタリウム美術館で坂本龍一さんの新作を本人監修の音響空間で聴き友人とランチ
-
- 同じ街にポールがいるのにこの余裕、以前では考えられないこと(ワタリウムもランチもとても愉しめたのだけど、それにしても)
- それでもドームに着き喧噪の中に入っていくと「これだよこれ」の高揚感
- ドームの外のみならず席の近くでも、普段Twitterやメール、年賀状だけでやりとりさせていただいている方々とご挨拶。この同窓会感覚も大好きだしありがたいしポールの力!って思う。ライブのたびに。ポールがいなければ知り合っていなかったすてきな人たち。
- ポール登場。
- この席をありがとうございます!>ゆずってくれた方
- Temporary Secretary最高!!これが生で聴けるなんて!海外でやったのは知ってたけどもうやってくれないと思ってたよ
- "Temporary!Secretary!"とこぶしを突き上げながら、こんな日が来るなんてと感激しまくり
- 流れてた映像もレトロフューチャーなサイバー感とセクシャルなイメージのミックスがクールこの上ない
- このライブ音源と映像をまとめて配信してくれたら即購入やで
- I've Got A Feelingも、映画Let It Beのシーンも思い出して、あの日路上にいて「ただで見られて得した」って言ってる人がうらやましかったけど今まさにその曲を聴いてるんだなあ有料だけど。Get Backではそんなふうに思ったことないのに。
- FourFiveSecondsは完全にポールの曲、ポールの歌。この人は本当にずっと第一線を走り続けてるんだ。曲の最後の締め方も本当にかっこいい。スタジオ音源より断然好き。
- そして今回も、キョードーには言いたいこともあるけれど、サプライズ(恒例化してるけど)の演出にはいつも感謝。ポールに気持ちが伝えられる機会をつくってくださるのはありがたい
- いやー、武道館より声も出てるしいきいきしてるしセットリストもいいなんて
- やっぱポール最高やわ
- 史上最高のメロディメーカーなんだけど、それだけ(だけ?)じゃなくて超一流パフォーマーでもあるんやで
- そういえば1990年も東京だけの公演で私は2回だけ行った。今回も同じ。私の気持ちも含め、一周して原点に帰ってきたような感覚。
- 次も行きますよもちろん。次は来日の知らせを聞いてもしんどくならないと思う。
- 翌日、自宅に着いてもサイリウムはまだ光っていた
(番外編)ONE ON ONE TOURパンフレットから
特に印象に残った箇所を挙げてみます。
ポールは過去15年の間だけでもホワイトハウス、ローマのコロシアムの敷地内、有名な日本の武道館、ニューヨークのタイムズ・スクエア、バッキンガム宮殿、モスクワの赤の広場、40万人以上が集まったメキシコ・シティのゾカロ広場など、めまいがするほどバラエティに富んだ会場で演奏してきた。(P.7)
「説明」がついているのは武道館とゾカロ広場。このラインナップだと「世界の誰もが知るわけではない」のはたしかにこの2つの会場だろう。でもわざわざここに挙げているということは、武道館とゾカロ広場はワールドワイドな知名度とは別に、それだけポールやスタッフの印象に残ったってことじゃないかなと感じました。
「まだ演奏したことがない場所で、コンサートを届けたいと思う場所はありますか?」 ポール「中国だ。」(P.13)
ポールの好奇心がかき立てられる場所でしょうね。もしライブが行われたらどんなものになるのか私もすごく興味があります。
でも一方で、中国でのビートルズのプレゼンスはどのくらいのものなんだろう、と思います。もちろん有名な存在ではあるんだろうけど。
2002年に四川省に行った時は、30代と思われる現地ガイドさんはYesterdayもビートルズも知らなかった(でも、Yesterday Once Moreは知っていた)。
一方で英文ブログのコメント欄でやりとりした中国の方は「私はファンだし、中国でもとても人気がある。60年代は毛沢東のせいで世界から孤立していたからビートルズを楽しめなかったけど」と。
↓そのコメント欄まで移動します
ラスティは、これまで何年間もやってきたように、セットリストに"Back Seat of My Car"を入れるためのキャンペーンを行っている。ブライアンは、「3,4種の楽曲が合わさっているようなポールの大作ナンバーの好例」と加える。(P.28)
ラスティーいいぞもっとやれー!!