自宅の近所でライブがあるというので行ってみました。
Bar Bewitched@西宮・門戸厄神 - Bar Bewitched (バー ビーウィッチド)
直訳歌詞
まずはビートルズの直訳から。ビートルズのオリジナル曲は直訳をCD化できないみたいなのですが、ライブならいいのかな。「昨日」「あるがままにしときなさい」など。王様の持ち味である「笑える直訳」で場をあたためる感じでスタート。
王様ならぬ王子様の追悼で「紫雨」も聴かせてくださいました。
イーグルス(王様曰く「鷲ら」)の「旅館カリフォルニア」では、この歌詞のもつ意味や背景などについて解説。こういうところにも、王様の魅力である「オリジナルへのリスペクト感」がにじみ出ていていい感じです。
また、休憩時間にはビートルズ、ウィングス関係(「金星と火星」)の貴重なパフォーマンスを少し披露してくださったりも。非常にありがたい演出だったのですが、これ、当日席をご一緒させていただいていた方々(ポール・マッカートニーファンの友人とそのご友人 - お二人とも王様ファンとして王様ご本人にも知られている)のおかげ、だと思います。感謝。
このあたりまででは「楽しいなあ」と、直訳歌詞に笑わせてもらう段階でした。
ギタープレイ
このお方のパフォーマンスの凄さは直訳ではない、と遅ればせながら気づいたのは中盤を過ぎてから。
まず、クリーム「十字路」、ジミ・ヘンドリックス「紫の煙」。凄かった。オリジナルを細部まで記憶しているわけではないのですが、ものすごく丁寧なプレイ。そして直訳歌詞でも感じていたオリジナルへのリスペクト感があふれている。
まあここまではCDでも感じられていたことでもあるんですが、それだけではありませんでした。
非常にエモーショナルでもあるんですよね。かつ演奏が素晴らしく安定していて、身を任せて酔えるのです。かぶりつきの席だったので音も大きかったのですが、気持ちよくてまったくうるさく感じない。これはCDではわからなかった、王様の凄さでした。失礼を承知でいうと、意外でした。
その後も、キッス「踊るデトロイト」では体がゆさぶられ、ヴァン・ヘイレン「ぴょん」では客席と王様が一体化。
ワンマンショーなのに(他のパートはMDプレイヤーが奏でている)バンド感もすごくある。
レッド・ツェッペリン「黒い犬」では、あんな「ノーマルな拍子とはかけはなれた音楽」でどうやってギターリフをジャストタイミングで入れられるのかと思ったら、直前にドラムスティックの音がわずかに鳴っていました。それにしても、その音だけでMDの音源とぴったり音を合わせられるのはさすがプロですね。
終盤はディープ・パープル「湖上の煙」などでアガるだけアガって終了。いや楽しかった。
このライブの魅力
直訳歌詞も楽しかったのですが、結局後半以降は、歌よりもギターを聴いていました。ご本人も「直訳ロッカーなのにインストをやります」なんてMCでしっかりうけていましたが(私の知らない、ジェフ・ベックか誰かの曲をプレイなさいました。)、それもまた大歓迎です。
笑えてギターに酔わされた夜、これで2,800円(当日3,000円)はお得だなと今も思います。