庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

歴史をもうひとつの視点から見られる街 - 福島県・会津

イギリス研究会で帰還困難区域を訪れた後、メンバーといわき駅で別れてから、一人で会津に向かいました。

郷土料理

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会津若松駅に着いたのは夜。

どうせなら郷土料理をいただきたいと思い、目に入った駅前の居酒屋「こだわりやま」へふらりと入りました。

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お願いしたのは、郷土料理盛り合わせ(馬刺し、棒タラ、ニシン山椒)、同じく会津の料理「こづゆ」。どれも塩をふんだんに使ってあるのでお酒がすすみます。うまい。

お酒は地のものを。月弓(会津)はすっきり淡麗でさっと飲めました。その後いただいた奈良萬純米(喜多方)は香り・ボディのバランスがよかった。水、お米などすべてが地のものでつくられているそうです。

特に下調べもせず入ったのですが、料理も酒も望み通りの「地のうまいもの」でしたし、部屋も半個室。くつろがせてもらいました。


会津の周り方

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翌朝(4月11日)、会津若松駅前から地元の周遊バス「赤べえ」に乗り込みます。会津市街は歩いてまわるにはちょっと広すぎるのでこれのお世話になるのがいいかと。

30分おきに発着で市内の主な観光地をまわってくれますし、500円のパスで乗り放題、しかも主要観光施設で割引が効きます。結果、余裕でもとがとれました。ただしパスはバス車内では買えません。

参考:まちなか周遊バス - 路線バス - 会津バス


白虎隊-会津に殉じ、新政府に利用された?

最初に降りたのは飯盛山のバス停。有料のエスカレーターもありますがまだまだ徒歩でも大丈夫。

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白虎隊の墓所入り口。想いがつまった案内。


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お墓。


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このように、白虎隊が戦前のローマ市とドイツ大使館外交員から讃えられていること、ここに伺って初めて知りました。

白虎隊の悲劇が海外にも伝わっていたのかと驚き感心しました。たとえそれが当時の同盟国からのものであったとしても。

しかし少したってから思いました。白虎隊や会津は、明治新政府の敵、反体制なわけです。当時の日本政府も明治新政府から地続き。となると、例えば当時のドイツにとってそれはエーデルヴァイス海賊団(ナチ時代の反ナチ少年少女グループ)みたいなものなんじゃないのか・・・白虎隊は新政府相手に闘い、死後は新政府に利用されたってことなのかな・・・などと思ったり。


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白虎隊自刃の地。

ここからまたバスで移動。

武家屋敷

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自刃の間。NHK大河ドラマ「八重の桜」のシーンが脳内に浮かびます。実際に、いくつかのシーンはここで撮影されたようです。

さらにバスで移動。


鶴ヶ城

会津観光の「本丸」へ。でもお腹がすいたので、バス停の前にある「蕎八 かやの」へ。

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地酒花春、鯉の天ぷら、山菜そば。観光地の目の前だけど丁寧な味わいでした。


そして鶴ヶ城はまさに桜真っ盛り。お城も桜も本当に美しい。「八重の桜」メインテーマを聴きつつまわりました。

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天守閣の中には博物館があります。近年リニューアルされたようできれいです。

ここでの説明文を列挙します。

松平容保は、会津の強い忠誠心と武力で倒幕派を圧倒して期待に応えたが・・・薩摩藩の寝返りなどの時局の流れに乗ることなく・・・
朝廷に向かって砲撃した長州藩の罪は重く・・・
孝明天皇からの厚い信頼を受けた会津藩の活躍の甲斐もなく・・・「朝敵」とされた会津人は心身ともに深い傷を負った

歴史を「敗者の側から」見ることができました。会津の人々の矜持を感じながら。


八重生誕の地

お城のすぐ脇にあるというので足を運んでみましたが、住宅街のただ中、一般家庭の真ん前でした・・・

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さらにバスで移動。


白木屋

江戸時代から続く漆器店。外観もさることながら店内もまるで漆器の博物館のようで、多彩な品を目にすることができます。

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ここを訪れた理由は、手塚治虫が座った椅子が現存していること。

虫ん坊 2010年12月号:コラム 虫さんぽ 第13回:福島県会津若松(後編)・東北の城下町に手塚先生の素顔を見た!:TezukaOsamu.net(JP)

思わずその椅子に座ってしまいました。


おみやげ

夕方、会津若松駅へ。おみやげはこれを。

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帰宅後、家族でいただいたところ「おいしいけどけっこう味が濃いね」・・・ということで、私のお酒のつまみになりました。



イギリス研究会で福島へ行けたので関西からはなかなか行く機会のない会津に足を伸ばしてみるか、くらいの気持ちで訪れたのですが、予想以上に「歴史をもうひとつの視点から見る」ことができ、その上料理もおいしいということで、たった一日の滞在でしたが非常に印象深い旅となりました。


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