庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

ノーコン・キッド〜ぼくらのゲーム史〜

ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~ Blu-ray BOX

テレビ東京・番組サイト

[物語]

1983年、15歳の礼治は父の営むゲームセンターわたなべでハイスコアラー木戸(スコアネーム:KID)と美少女高野と出会う。以後、ゼビウス、ドラゴンクエストII、バーチャファイター2などの名ゲームとともに、三人はそれぞれの人生を歩んでいく。一方、2013年。IT企業社長となっていた木戸は、雑誌編集長となっていた高野に連絡をとり、礼治の行方を捜し始めた・・・



[感想]

ビデオゲーム&ゲームセンター文化・歴史への愛情と細部描写のこだわりが素晴らしかった。

オープニングからそれは感じました。投入されるコインが100円ではなく50円。最初のゲーム映像はプレイ画面ではなくゲーム筐体(マシン)に電源を入れたときの画面。

本編にはそういうシーンがこれでもか、と出てきます。ゲーセンに貼られているポスター(ナムコの「MORE,愛」)など)や筐体のリアリティ。ドラマのストーリーと個々のゲームの背景とのリンク(特に、受験を仲間と乗り切ろうとする回とドラクエIIの冒険を仲間と乗りきる回がシンクロしている回が見事)。さらに、ゼビウスの作者遠藤雅伸さんやドラゴンクエストの作者堀井雄二さんのカメオ出演。

さらに、当時の社会状況(例えば風営法改正によるゲーセン入場時間の年齢別制限の導入)。ゲーム以外の文化(例えば80年代の高野の台詞に登場する「ピテカントロプス(クラブ)」「教授(坂本龍一)」「PIZZICATO V」)。服装や髪型。よくここまでやってくれた、と思います。

3人のメインキャストを演じる田中圭、浜野謙太、波瑠も30年間を好演してました。ストーリーはベタだったけど、だからこそこのドラマの本当の主役「ビデオゲーム&ゲームセンター文化」が引き立っているのかもしれません。

以上のような(他にも数え切れないほどあるのですが)こだわりが総体となって、あの時代にしかなかった「ゲームセンターでゲームをすること」の意味、つまりゲームを通じたコミュニケーションという文化と雰囲気をまとめて真空パックしてくれていました。

自分の年齢が主人公たちのそれに近く、過去編で描かれる期間(83年〜90年代半ば)が個人的なゲームセンター体験とぴったり重なっているこのドラマは、まさに自分にとって「ぼくのゲーム史」。あの特別な時代にスポットライトを当ててくださった企画制作の皆さんに感謝します。


2014年2月2日追記: 行ってきました:ノーコン・キッド×ゲームセンターCXカフェ(渋谷パルコPart1)


(広告)