庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

慶野由利子さんインタビュー

ナムコで「ディグダグ」「ゼビウス」「ドラゴンバスター」などのサウンドを担当されていた慶野由利子さんのインタビュー。東京に遊びに行った際立ち寄ったナツゲーミュージアムで購入した雑誌「シューティングゲームサイドVol.5」に2ページのインタビューが載っていました。

慶野さんは、前述の名作ゲームにこれまた名サウンド・名曲をつけたナムコ初の音楽専門職。80年代前半当時からゲームファンの間では有名な存在でしたが、この方のコメントや写真は見かけることがまずなく、作品は有名だけど本人は謎、という感じの存在でした。あとは記憶違いかもしれませんが、90年代に話題になった最相葉月「絶対音感」の取材協力者のリストに名前があったような気がしますが、本人へのインタビューなどはありませんでした。

それが約四半世紀後、つまり昨年くらいからUstの対談番組に出たり大学で講義したりと急に表に出られるように。活字媒体でもお見かけしたので入手したわけです。2ページだけの記事でしたが、私自身が知らなかったことがたくさんあったのでメモしておきます。以下、慶野さんの発言は多少簡略化しています。


「ゼビウス」で一番気に入っている音はシオナイト合体音。形も音も現実世界ではありえない。かっこいいので大好きです。

たしかに。あれはインパクト続きのあのゲームでもひときわ目立つシーンですね。ゲーム自体は進行しているのに休憩時間にもなっていて、しかも演出的にも意味がある(巨大浮遊要塞が登場する直前の嵐の前の静けさ)という。


「グロブダー」ではデモ中に1プレイヤーボタンを押すと音が出るが、次に音を鳴らそうと思うと3分ほど待たなくてはいけない。これはデザイナー遠藤雅伸さんの演出だが、この3分の間は音を止めているのではなく実は休符を演奏し続けているんです。

遠藤さんらしい演出だなあ。そしてそこに休符をあてる慶野さんのセンスもさすが。


ナムコ時代に手がけた曲で一番気に入っているのは「パックマニア」の「ジャグリーステップス」という無調音楽。もうひとつは「ディグダグ」。はじめて手がけた作品というのもあるが、効果音の作り方の勉強にもなりました。

「ディグダグ」でモンスターが破裂する音が実は音程のある曲(楽譜)の超高速再生と知った時はびっくりしました。遠藤雅伸さんも、ゲーム雑誌「BEEP」の特集記事で、慶野さんのサウンドは効果音や爆発音が特に素晴らしいとコメントしていた記憶があります。そうそう、効果音も立派な音楽ですよね。


かつて心をときめかせ調べまくっても知ることができなかった話を20年以上たってから本人から語ってもらえるなんて。そのこと自体に心ときめきました。


ナムコ・ビデオ・ゲーム・ミュージックザ・リターン・オブ・ビデオ・ゲーム・ミュージック


(広告)