ビートルズの音楽をフィーチャーしたシルク・ドゥ・ソレイユのショウ「LOVE」。ラスベガスの専用劇場でしか上演されていません。2006年の上演開始以来、ビートルズファンとしてずっと気になっていましたが、ついに、東京在住のK君と一緒に観に行くことになりました。
成田〜シアトル
私は大阪空港から成田まで移動しそこでK君と合流。こうしたほうが別々にチケットをとるより安く、また往復の空港・機内で退屈することもないかと考えたからです(実際その通りでした)。16時前に離陸。
行きのシアトルまでのデルタ航空のサービスはまあ普通でした。エコノミークラス症候群対策で成田でペット水二本持ち込んだのは正解(持ち物検査を受けた後に購入。検査前に買っても捨てさせられるよう)。機内でいちいちオーダーするより気軽に水分補給できるので。とはいえ、所要時間9時間のうち眠れたのは3時間ほどで、あとの時間は本を読んでいました。
乗り継ぎのシアトルには現地時間の朝到着、6時間待ちの予定。ここで同行のK君と、いろんなトピックについてまったり話し込みました。片時も退屈しないのが素晴らしい。
シアトルの空港メモその1: 飛行機を降りてすぐ、係員の黒人のお兄さんが「君たちのチケットを見せてくれ・・・次の飛行機はアラスカ航空に変わったぞ。それからゲートは頻繁に変わるので気をつけて」。案内係でもなんでもなさそう(荷物係?)なのに親切。しかもこの二つの情報は本当にそのとおりで、しょっぱなに重要な情報を簡潔に教えてくれたその手腕に二人で感激。
その2:空港内シャトルのアナウンスと電光メッセージがなんと英語と日本語のみ。日本人が多いのか、日本人が他の非英語圏の人に比べ突出して英語が苦手なのか。(↓この写真だと日本の地下鉄みたいに見えるな・・・)
その3:雪景色。実はシアトルでの積雪は珍しいそうです。このため飛行機が離陸順番待ちで出発が2時間遅れました。
その4:アラスカ航空は尾翼のトレードマークがイヌイットの顔。ガンマ値的にゲバラみたいというのがK君との感想。サッカーファンでもあるK君からはマラドーナみたいだとの声も。個人的には、悪いことではないけど、ちょっとオリエンタリズム的視線を感じたり。
その5:小さな売店にも「おーいお茶」が置いてあり緑茶の普及ぶりを実感。ロゴは日本と一緒でさらに驚く(ただしロゴの下に「OI OCHA」との記載あり)。
シアトル〜ラスベガスの機中
アラスカ航空機内では、乗務員と一般客が和やかで明るい会話を気軽にかわしていました。冗談を言い合ったり。日本ではちょっと見られない光景。いい感じだなと思いました。反面、何これと思ったのは(特に空港で)、ほんとに肥満の人が多いなってこと。身長差もあいまって、感覚的には容積比で日本人の2倍くらいありそうに見えます。
機内では私の前の三列席にペルシャ系らしき若いお母さんと一歳・三歳らしき女の子が座っていました。一歳の子が叫びまくっているのにたまにしか注意せず(なので叫びは止まらず)、でも周囲の大人たちも平然としているのは、たまたまなのかそもそも幼児に許容度がかなり高い社会なのか。よくわかりませんでしたが日本ではこれはありえないな。いいことなのか好ましくないことなのかもよくわからなかったですが。
ただ、私の前の席の三歳らしき女の子が背もたれをどしんどしんやり始め、しかも例によって母親は注意せず、かつ私のテーブルに飲み物が乗っていた時はさすがに母親にやめさせて欲しいと言いました。すぐ止めさせてくれましたが、詫びの一言もそういう態度もなし。英語を話さない人のようだったのでまあしょうがないといえばしょうがないのですが。そして一歳児の後ろの席の白人青年は同じことをされても平然と読書中。やっぱり幼児に許容度が高いのかなあ。まあこんな限られたサンプルでアメリカ社会を決めつけるわけにはいきませんが、かなり印象に残ってしまった出来事ではありました。
# 後日、アメリカ人の英語の先生にこのことを話すと、次のようなコメントをもらいました:
アメリカだと、こういうとき家族以外の他人が何も注意しないのは普通のこと。あまりにも多様な価値観がある社会なので、他人のことには口出ししないのがルールとなっているの。でもあなたが飲み物がこぼれそうになった段階でやめさせてほしいと言ったのはとても的確。価値観云々ではなく実害が出るとわかった時点でそうするのはもちろんかまわない。子供がうるさいのは実害にならないのか、だって?それは微妙ね・・・注意する人もいるかもしれないけど、しない人のほうが多いかな。そもそも、このお母さんはだめね。他人に迷惑かけちゃいけないのはアメリカも日本も同じ。子供に甘い親が増えてきたというのは私も個人的に感じるところです。小さな子供はコントロールできない、というのはたくさんの人が認めていることではあるけれど。それと、他人のことに口を出さないというのはアメリカのどこでも、というわけではないわ。田舎の、人間関係が濃密でそこにいる人どうしがお互いを知っているところでは、こういった場合親に注意するのは普通に行われています。
ラスベガスのホテル
ラスベガスの空港には結局成田を出て20時間かかって着きました。空港に早くもスロットマシン多数なのは有名なお約束。
シルクの広告。「LOVE」ももちろんあり、ああ、ついに来たんだと盛り上がります。しかも大画面テレビでトレイラーも流されていました。
ホテルはImperial Palace Hotel。西洋人の抱く間違った東洋観にあふれるホテルです。「有名アトラクションに徒歩で行ける立地が至便だが全体的に老朽化が進んでおり安く泊まれる」という評判でしたが、まさにそのとおりでした。つまり我々の旅の目的にぴったりはまっていたということです。
部屋に。
海外のホテル部屋に入ったら、まずやることはお湯が出るかどうかのチェック。すると・・・お湯が出ない!そこにいいタイミングで旅行社の係員さんから「何か不都合はありませんか?」との電話。レバーを左にひねるとお湯が出るとのことですが、左にはひねることができない。なので係員さんにホテルへの連絡をお願いするとしばらくしてホテルのエンジニアがやってきました。エンジニアさんがレバーを回すと・・・お湯はあっさり出ました・・・レバーをそのまま左に回すのではなく、右に回したあとそのまままわし続けて左までいくとお湯が出るのです。気がつかなかった・・・
その他、ホテルのWiFi(3日で24ドル)に繋がらなかったり、ホテルが巨大かつ迷宮過ぎて食事場所にすぐにはたどり着けなかったりするなどちょっとしたトラブルには見舞われたものの、その都度K君と話し合って解決策を見つけ、わりとスピーディーに解決。二人旅行でメンバーに恵まれた好例だと思います。
夕食はホテル内のメキシカンなお店で。サラダとサイドメニュー一品ずつだけで、日本人男性大人二人に充分な量。そりゃ肥満も増えるはずだ(これもアメリカ人の先生に話すと、二極化しているとの話。ダイエットに気を遣う人と食べまくる人と。なのでレストランで食べ残しを持ち帰るのは当たり前なのだそう。先生もアメリカの料理はいつも食べきれないと言ってました。)。ビールはブルームーンとクアーズライト。Coorsは私レベルでは一発では発音が通じませんでした(オリジナルの発音は日本名の「クアーズ」とは相当違います)。