第1回、第2回がとてもおいしくためになったので、今回も受講しました。会場はちょくちょく寄らせてもらっているBeer Cafe Barley、講師はそこの店主さんで、こちらも前回同様です。(参考:NHK文化センター当講座のページ)
今回はドイツビールがテーマです。まず講師から、日本ではビールの本場と言えばドイツのイメージがあるけど、世界的にはチェコ、イギリス、アイルランド、ベルギーも十分本場と言えるだけのビール文化があること、つまり日本より冷涼な気候で育まれてきたものであること、だからビールは夏以外でも楽しめるもの、という説明。自分の、初めて秋のイギリスで生ぬるいビールを飲んだ時ショックを受けながらもそれがおいしかったという経験を思い出しました。秋こそビール、そうかもしれない。
続いて、ドイツビールは地域によってキャラクターがまったく異なるとのお話。それを即、実際に確かめられるのもこの口座のいいところです。ということでテイスティングです。
左から順に、まずガッフェルケルシュ(ケルン) 麦芽とホップが控えめながらもバランスをとっている「特徴がないのが特徴」というビールだそうです。たしかに、普通(日本で手に入りやすいラガー)のおいしいビールという感触でしたが、実はエールビールなのだそうです。
ツム・ユーリゲアルト(デュッセルドルフ) 濃い色ですが、飲んだ瞬間はすっきり、でも後でしっかりした苦みが来ました。この苦みはホップ由来のもので、酵母が生きたまま入っているビールでもあるそうです。
ヴァイエンシュテファン・ヘーフェヴァイスビア(ミュンヘン) いわゆる小麦ビール、白ビール。実は私は小麦ビールはちょっと苦手なのですが、これはいけました。独特のクローブやバナナの香りははっきり感じられましたがやわらかい感じだったので。麦味噌や白身魚にも合うそうです。
アンデックス・デュンケル(ミュンヘン) 麦の味・香りがしっかりしています。苦みはあんまりなくむしろ甘い。でも存在感がすごくある味でした。飲んだ後も口の中にしばらく残っている感じ。
ケストリッツァー・シュバルツビア(ケストリッツ) チョコレートのような香りがするとのことでしたが、私はそれとは別の甘い香りを感じました。ゲーテが好きだったそうです。
シュレンケラ・ラオホビア(バンベルク) 麦芽をいぶして作られた、燻製の香りがするビール。好き嫌いが分かれるそうですが、私は初めて飲んだ時から好きです。やはりスモークサーモンなどと抜群の相性らしく、ぜひ試してみたいところです。
パウラーナー・サルヴァトーア(ミュンヘン) 度数8%。でも甘さがあり、うまく形容できない複雑な香りがとても印象的でした。最後に飲んだせいか、これまでのビールの集大成的なイメージにもつながります。私としてはこれが一番おいしかった。
たしかに、一口にドイツビールといっても地域によってまったく別の味わいがあることがわかりました。もはや別の飲み物といってもいいかもしれないくらいはっきりした違いがありました。ドイツでは、自分が住んでいる地域では同じタイプのビールだけがあり、地元の人はそれを愛している、いろんなビールを味わいたいと思ったら人間のほうが旅に出る、そんな「ビアライゼ」という楽しみ方があるそうです。今日は、椅子に座ったままでビアライゼを堪能させていただきました。次回はベルギービールとのこと、楽しみだなあ。(追記:次回分のメモはこちらです。)