Nさんからの提案にありがたく乗り、期待に胸躍らせてやってきたこのお店。期待していた理由は、長寿国グルジアの郷土料理なんて他に食べられるところはそうそうない、ということと、ここでスターリンの好物を食べてみたい、と思っていたからです(私たちはスターリンの賛美者ではありませんが、関心はあります。)。
さて、まずは赤ワイン発祥の地といわれるグルジアのワイン、スターリンが好きで、チャーチルも絶賛したというキンズマラウリを。
かなり甘口、というよりぶどうの味がはっきり出ています。でも幼稚な感じは全然しない、飲みやすく口当たりのいいワインです。かなり早いペースであけてしまいました。
で、グルジア料理の方はどうかというと、強引にまとめれば「ヨーグルト的甘酸っぱさ」と「独特の香味」が特徴でした。乳酸菌系が大好きな私としては、たいへんおいしくいただけました。
ヨーグルト的といえば、このハチャブリ(チーズ主体のもちもちしたパイ)、そしてシュクメルウリ(チキンのガーリックスープ煮込み)。酸っぱさがいい感じで和えられています。
独特の香味といえば、このシャンピニオン(キノコ炒め)、
ラムシャシュリク(ラムの串焼き)。これこそスターリンの好物だったそうです。ラムの強い臭いと香味がうまくブレンドしていました。
さて、ここに来たら訊いてみようと思っていたことがあったのでちょっと迷ったけどやっぱり訊いてみました。マスターがグルジアの人であることを確認した上で、「スターリンは今もグルジアでは尊敬されているんですか?」と質問してみたのです。特に嫌な顔もせず応えてくださった内容は、「年代によって違う。年配の人、スターリン大好きな人多いね。それより若い人には、嫌いな人もいる。若い人は、関心ないですね。」史上最悪級の人災を引き起こした人物でも、故郷では錦を飾っていたということか。一方で、どこの国でも、時代が変わると関心も移ろうのか。「でもスターリンいなかったら、誰もグルジアのこと知らない。」日本ではグルジアといえば、どちらかというとスターリンの生まれた国というよりは長寿で有名な気がするので、そうお伝えしました。
Nさんとの話も含めて(iPhoneのアプリ比べからNYの街、第三帝国まで)、ちょっと他では味わえないものを味わえた貴重な夜でした。