CDを買っておきながら聴かずにいた、ということはあまりないのですが、そのうちの一枚がこれでした。なんでほったらかしにしていたのか?聴き終わった今、それを一番知りたいのは自分自身です。
緩急のメリハリがものすごくはっきりした、瑞々しいことこの上ない演奏。個人的には、「田園」はワルター指揮コロンビア交響楽団のが一番好きなのですが、このクライバー盤も同じくらいに好きになりそうです。ワルターのが絵画として美しい田園だとしたら、クライバーのは鮮やかな写真を見ているような、そんな気持ちにさせられます(よくわからない例えだと思いますが、個人的にはほんとにそんな感じなんです)。特に、第4楽章「嵐・雷」がすごい。この迫力、クライバー盤以上はおそらくないでしょう。
ちなみにこの録音、ライブなのですが、「拍手」でワントラック取られているのがおもしろい。最初、呆然としてまばらな拍手しかなかった後、我に返ったように嵐のような拍手。そしてこんなにたくさんの人が叫んでいるのは聴いたことがないような「ブラボー」。こんな演奏を生で聴いたのなら、さもありなんという感じです。