庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

バベル、デジャヴ、ロッキー・ザ・ファイナル

先日のイギリス研究会で(イギリスとは特に関係ありませんが)話題に出ていた作品が3本立てでやっていたので観に行きました。

映画館「新世界国際劇場」がなかなかすごいところで、大阪で最もディープと言われる新世界のど真ん中に位置しているだけあって、客層のほとんどは50歳代以上の男性、禁煙のはずなのにたばこを吸う人だらけ、トイレのドアは鑑賞席に直結というなんともいえないところでした。ホームページがあることが相当意外。


バベル
バベル スタンダードエディション [DVD]
「伝わらない」こと。そのもどかしさや理解できないものへの怖れを巧みに表現する一方、一発の銃弾がすべてを狂わせていったかに見せかけて(私も鑑賞中 はそう思っていた)、実際にはそれぞれの家族の絆を深めていき(修復できない「傷」を残したケースもありますが)、最後には希望すら感じさせるという流れには、観終わったあとしばらくして気づいてさすがだなと思わされました。

余談ですが、菊地凛子さんから美しさとかかわいさをまったく引き出さない見せ方もすごいなと思いました(この映画以外に菊地凛子さんを見たことがないのでなんともいえませんが)。


デジャヴ
デジャヴ [DVD]
[物語]フェリーが爆破され、500名以上が犠牲になる事件が起こる。主人公の捜査官ダグは、この爆発の直前に殺された被害者を知ることがこの事件の鍵だとにらみ、調査を開始するが・・・

[感想]サスペンスかと思ったら途中でSFだということに気づかされるこの作品。そのとき、そのSFな設定を受け入れられるかどうかがこの作品を楽しめる第一のキーポイントだと思います。私はせっかくですからそれは無条件で受け入れて、映画の世界に身を委ねましたが、人によっては「なんだこりゃ」と思われる向きもあるかもしれません。

トータルで見ると観客を飽きさせない要素はしっかり詰まっていて、私自身も上映中はしっかり「続きはどうなる」って気分にさせられていました。その点では満足ですが、観終わったあとはいくつかのつっこみどころがすぐに思い浮かびました。まず、ラストシーンの後、主人公は多分面倒な事態に巻き込まれるに違いないでしょう。それから、「動機」の弱さ。主人公がある女性に好意を抱かなかったらこの映画自体が成り立たなくなるのですが、好意を抱くに至った動機がどうも弱いし、テロ実行犯の動機も弱い。

と、ここまで書いて思ったのですが、この作品は複数の人と一緒に鑑賞して、観終わったあとこうやってああだこうだ言うのが一番なのかもしれません(今回、この3本立ては3人で観にいきました)。その意味では観賞後も楽しめた一作と言えるかも。


ロッキー・ザ・ファイナル
ロッキー・ザ・ファイナル (特別編) [DVD]
[物語]ロッキーは妻を亡くし、寂しさを感じながらレストランを経営して暮らしている。就職したばかりの息子ともうまくいっていない。そんな中、ふとしたことからロッキーと現役ヘビー級チャンピオンのディクソンが対戦することになるが・・・

[感想]3本立ての最後がこういうストレートでシンプルな話でよかった。話の先が最後まで読めるような映画だからといって、つまらないわけでは決してない。そんな当たり前のことをこの作品は思い出させてくれました。

どうでもいいことですが、ロッキーの息子は若い頃(ハンブルク時代)のジョージ・ハリスンにちょっと似てるな。


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