庭を歩いてメモをとる

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時をかける少女(原田知世版、アニメ版)

上映中のアニメ版の評判があまりにもよいので気になっていたところ、dream9さんのエントリを読んでさらに気持ちは盛り上がり、まずは、すぐに観られる1983年の原田知世版をレンタルしてみました。

時をかける少女 [DVD]

タイムトラベルものにしては驚くほどシンプルなストーリー。そして80年代とは思えないほどゆったりおっとりした展開。原田知世や他の俳優の演技。すべてが初々しいなと感じました。一歩間違えば「稚拙」になってしまうところを、ぎりぎりのところで「初々しい」にとどまっている、という印象(いや、実は超えてしまっているのかもしれないけど)。これ、公開当時はどうだったんでしょうね。少なくとも80年代であの高校の雰囲気はおとなしすぎ、という気はするんですが。

とはいえ、青春ものにありがちの切なさを感じることができた作品ではありました。あと、尾道の情景の美しさはさすが。これが、「稚拙」に行ってしまわない防波堤の役目をはたしているのかもしれません。そんな微妙なバランスを含んだ、でも楽しめもした映画でした。



そして今日、ついにアニメ版を観ることに。映画館に入る10分前に携帯が鳴り仕事のトラブルと相談を受け、どうなることかと思いましたが何とか両方ともクリア。観る前からドキドキさせてくれます。

原田知世版の主人公・芳山和子の姪が主人公で、ストーリーはまったく違うらしいけどどんな展開なんだろう、アニメ映画を映画館で観るのはいつ以来だろう、などと思いながらスクリーンを見つめていたのですが、気がつくと物語の世界にはまりこんでいました。

・・・

観終った後こんなすがすがしい気持ちになった映画は久しぶりです。
なんかいろんな思いが次から次へとあふれ出てきてうまくまとめられませんが、思いつくままに書いてみると:
・夏ってこんな気持ちいい季節だったかな 夏の入道雲ってこんなにきれいだったかな 夏の昼間に観に来ればよかった
・高校生活ってまぶしいな・・・
・CGのデザイン、クールだな
・「ゴルトベルク変奏曲」の使われ方がかっこよすぎ、アリアと高校の放課後の風景も意外なほどドンピシャ、第一変奏では鳥肌がたった、別の人の演奏だけど明らかにグールドを意識してるな、この曲は最初のアリアがいろんな変奏曲にアレンジされて元の曲に戻るって構成、そういえばあの場面のCGデザインもフラクタルっぽい(未確認)、これって・・・
・背景の画ってここまできれいに描けるんだ 写真みたいだけど画のあたたかみもあって感心 その他もろもろ、アニメにして大正解かもというポイントがいくつかあった
・原作というか原田知世版の骨組みは引き継いでいるけど全然別の作品、この引き継ぎ具合も変えっぷりも両方お見事
・やってきた動機が原田版より切ないし納得がいく
・わりぃ、それちょっと見たい
・Time waits for no one.

・・・と、観終わっていない方には何のことかわからない言葉の羅列ですみません。
ちなみに、連日立ち見と言われる東京に比べ、大阪のテアトル梅田(梅田ロフト地下)は、金曜の18:45の回でしたが、半分くらいしか席が埋まっていませんでした。もったいない・・・

来年の夏、入道雲を見たいなあ。


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