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ナイト・オン・ザ・プラネット

ナイト・オン・ザ・プラネット [DVD]

(物語)世界5都市のタクシードライバーを巡るオムニバス。
ロサンゼルス:映画キャスティングをしている女性が乗ったタクシーは、蓮っ葉な若い女性ドライバーが運転していた。当初、客はドライバーを怪訝な目で見るが・・・
ニューヨーク:英語も運転もろくにできない初老ドライバーを見かねて、ハーレムに向かう黒人客は・・・
パリ:黒人ドライバーは、手こずらない客だと思って盲目の女性客を乗せるが、彼女の感覚と物言いは鋭く・・・
ローマ:神父を乗せたドライバーが語る「懺悔」はとんでもなく猥褻で・・・
ヘルシンキ:友人の「人生最悪の日」をなぐさめるため酔いつぶれた男たちが聞く、ドライバーの「それ以上の不幸」とは・・・

いろんな人生が、世界中で、まさに今、営まれている。そんなことを思い起こさせ、それに愛しさみたいなものと厳しさみたいなものの両方を感じさせてくれる作品でした。

映像面で劇的な演出はなく、むしろ、どの都市も深夜の風景は似たようなものだと思わせるような淡々としたものです。物語も、それぞれ数行で説明できるようなシンプルなもの。しかし、5つの物語はそれぞれ非常に印象深いんですよね。

これはひとえに、タクシー内での「会話」と俳優の個性によるものなんだろうなと思います。逆に言うと、その2点の魅力がたまらない。後で何度も思い出すようなセリフと俳優の存在感がこの映画の骨子になっているような気がします。

例えば、ロス編のドライバーは、たばこ吸いまくりの一見粗雑な感じの女性なんですが、これがウィノナ・ライダーなのです。意外な配役に一瞬驚きつつ、でもしっかりその役にはまっている彼女にまた驚く。で、ラストで見せるかっこよさにまたやられる、という感じ。ウィノナ・ライダーはもともと好きな女優でしたが、この映画でまたいいな、と思わされました。

他も、ニューヨーク編のドライバーと客の交流のほほえましさと現実とのギャップも鮮烈だし、パリ編の盲目の女性(ベアトリス・ダル。「ベティ・ブルー」と世界がつながっているイメージも。)の存在感も圧倒的。ローマ編のドライバーのマシンガントーク(「ライフ・イズ・ビューティフル」のロベルト・ベニーニ)はちょっと浮いている感もありますが爆笑したのでまあいいかと。ヘルシンキ編は基本的に重いですが、別の角度から覗けるブラックユーモアの部分があるのが救いかな(余計に始末が悪い?)。

そんな感じで、「会話」と「俳優」がちゃんと立っているからこそ、「世界中で営まれている人生」を思い起こさせてくれる作品に仕上がっているのかもしれません。人生ってかなりの部分が「会話」と「人」で成り立っているようなものでしょうし。

ちなみにこれ、2年前、同窓会で再会した高校時代の同級生に薦めてもらって以来、やっと観た作品です。薦めてくれた同級生に感謝。


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