庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

歯列矯正(5) 正中線を合わせる

2003年2月8日 ゴムチェーンで前歯を横にスライド

39回目の通院。夏から秋にかけて、下あごはかなりひっこみ、かみ合わせるとちゃんと上の歯が下の歯より前に来るようになりました。これで受け口ではなくなったかな。

受け口の次は、正中線。かみ合わせたときの歯並びの真ん中を示す線です。もともと私の正中線は歯一本分横にずれていたのですが、今、それが歯の半分くらいのずれになってきています。それだけでも私にとっては充分な進歩ですが、いよいよそれを完全に合わすというわけです。それで、ここ数回は上あご右の歯の隙間をつめるようゴムチェーンがつけられるようになっていたのですが、今日、ついにそのチェーンが上あごの真ん中の歯にもつきました。隙間を詰めながら前歯をスライドさせ、正中線を合わせるとのことです。「そのために、一時的に真ん中の前歯に隙間ができるんですがいいですか?」と訊かれましたが、もちろんいいに決まっています。さて、今回はどれくらいのスピードで歯が動くのだろう。

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[当時の歯並び](黒が元の歯、青が現在の歯)

2003年4月19日 下の歯を削って隙間を作る

41回目の通院。前々回に言われたように、上の真ん中の前歯2本の間が空いてきました。ラーメンやスパゲティが1本挟まるくらいの隙間です。今後これを詰めることで、上の歯を全体的に横にスライドさせ、結果的に正中線を合わせるようです。

しかし、これだけではまだ上下がぴったり合わないようで、今回は下の歯にも調整の手が伸びました。なんと、歯と歯の隙間を削ることで隙間を作り、その隙間を使って下の歯もスライドさせるとのこと。上の歯と下の歯をそれぞれ逆方向にスライドさせればずれた正中線も合わさってくるという仕組みです。

削られたのは、根元が細っていて逆三角形になっている歯。これなら横を削っても歯の形がよくなって一石二鳥というわけです。どうやって削るのかと思っていたら、歯と歯の間にサンドペーパーみたいなものを入れてごしごし。うーん、矯正にはいろんなやり方があるものだと感心しました。

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[歯を削ってスライドさせる仕組み]

2003年6月14日 微調整

43回目の通院。もう歯もかみ合わせもほぼ可能な限り動かせたみたいで、後は微調整、という段階に入ったようです。

今回は院長先生がチェック(数ヶ月に一度チェックが入る。それ以外は勤務医らしき若い先生が診察)。後は、微妙に空いた歯の隙間があるのでそれを詰めていきます、とのことです。

先生曰く、「うちは最初に提示した金額以外は一切いただかない仕組みになってる。本来、こういう最後の微調整では、1回5,000円くらいを請求するところが多いんやけど、そうすると怒る患者さんが多いんや。せやし、はっきり言うて微調整やらんと終わっても患者さんはわからへん。でもうちはそうしたくない。最後まできっちりやりたい。だからあえて追加はもらわんとやってます。」とのことでした。

こういう説明があると、最後の段階で治療が少々長引いても充分納得ができますね。先生にも感謝。


2003年8月9日 輪ゴムのたすきがけ

45回目の通院。ここにきて、新たな「装置」がつけられることになりました。

小さな輪ゴムです。これを、左上の歯と右下の歯にひっかけるのです。ですので、口の中は、一本の細長い輪ゴムが斜めに横切るようになります。

これをつけると、下あごが左にスライドさせられるような感覚がありますが、この輪ゴムはまさにそれを狙ったものだそうです。つまり、これが微妙に右にずれている下あごを左に微調整してくれるというわけです。当然、つけている時間が長ければ長いほうがいい。ただ、これをつけたままの食事と歯磨きは無理なので、その時だけははずします。その後は、新しい輪ゴムに替えて再度装着。

治療が終盤にさしかかってきた今なっても、矯正にもいろんなやり方があるものだと改めて感心させられます。


2004年1月24日 微妙な傾きをなおす

50回目の通院。約5ヶ月にわたる「輪ゴムたすきがけ」で、ついに正中線がぴったりの位置にきました。いざ合ってみると、歯一本分ずれていた以前の歯並びがどうしても思い出せないのだから不思議なものです。当初は輪ゴムだけで大丈夫かな、と思いながら過ごしていた毎日でしたが、しばらくするとたしかに上と下の正中線が接近しあってきていることを実感。そしてやっとこの日、「輪ゴムのたすきがけ」は完了となりました。

いよいよ矯正器具がはずれるのか?と期待がふくらみます。しかし、先生はちょっと怪訝そうな声。スタッフにも「これ、どう思う?」なんて尋ねていらっしゃいます。

スタッフと専門用語混じりの会話をされたあと、先生はおっしゃいました。「もう(矯正器具を)はずしてもいい頃なんやけど、ひとつだけここ(鏡を見ながら説明)、この歯だけ微妙に横に傾いてるでしょ。これをまっすぐにさせてください。たいしたことないんやけど、やっておきたいんで」 当人の私ですら、この程度の傾きなら別にかまわないと思える程度のものでしたが、治療回数を増やしても料金は変わらないのに、敢えて気になるところをほっておかない先生の職人気質に敬意を表し、傾きを直してもらうことにしました。

やり方としては、今回も、2003年4月19日に行った「歯を削ってスライドさせる仕組み」を用いることになりました。これで傾きを整えるためのスペースをつくるわけです。加えて、今回も輪ゴムを着用することになりました。ただし前回とは違って犬歯のあたり、つまり左右に一本ずつ縦(上あごと下あごをまっすぐ結ぶ)に引っかけます。それも夜寝るときだけ。イメージとしては、正中線が合った今のかみ合わせを固定していくような感じです。


2004年4月3日 最後のすき間を詰める

54回目の通院。先生が一目見て「ようし合わさってきたぞ」とおっしゃったあと、上の歯のいくつかに透明のゴムをひっかけました。「上の歯の一カ所だけちょっとだけすき間が空いているのでこれを詰めますね。この後数回来てもらったら器具ははずせます」とのこと。

先生が治療終了を予告したのは初めて。いよいよだ。


つづき


総括と歯列矯正体験記一覧


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