庭を歩いてメモをとる

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5日目:バラナー散策

旅行日: 2005年8月16日(火)

バラナーで

昨日とはうってかわって、今日は妻がかつて住んでいた町、バラナーを散策します。妻の友人を捜し、会うのが目的です。

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宿の部屋からバラナーのシンボル、聖堂を臨む。

お昼前まで宿でゆっくりしたり(妻はこの間、友達の家や家族に電話して居場所を確認)、近所のネット利用センター※でメールをチェックしたりして過ごした後、バラナーの中心地にでかけます。
※バラナーにはネットカフェがなく、旅行者がネットにつなげるのはここだけ。図書館にもあるらしいですが、利用登録が必要です。


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聖堂の脇には小さな墓地とマリア像が。こんな感じのマリア像はアイルランドの至る所にあります。お地蔵様みたいな感じです。


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宿から出てモイ川を渡って振りかえって観る聖堂。


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バラナーのメインストリート。生活に必要なお店は小規模ながらひととおり揃っています。

ほとんど徒手空拳で始めた友人探しですが、先日会えたMさんからの情報を頼りに泥縄式に連絡をとっていくと、徐々に誰がどこにいるのかがわかってきたようです。

まずGさん。彼女は新しく自分の雑貨屋を開いたとのことなので、その店に行ってみます。残念ながら今日は子どもの世話で休みだったのですが、店員さんがGさんの自宅に電話をかけてくれたので、妻は懐かしい話をすることができました。その間店の電話は当然ふさがっているのですが、いちいち気にしないのがアイリッシュらしいです。


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その雑貨屋さん。かわいらしく品のよい小物がたくさんありました。
そして今度は、Lさんと連絡がとれました。もうすぐ勤務先の昼休み時間なので、カフェで会いましょうということに。彼女とは6年ぶりの再会です。



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このお店で一緒に食事しました。セルフサービスのカフェ。


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カフェに限らず、パブでもどこでも禁煙が徹底しています。罰金は最高3000ユーロ(約42万円)!

Lさんからは、お姉さんのSさんの居所を聞くことができました。昨日、ウエストポートのホテルにSさんを訪ねていって会えなかったのですが、Sさんは別のホテルに転職していたとのこと。なので、明日またウエストポートに行くことが決まりました。


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アイルランド版「100円ショップ」。でも正確には2ユーロ均一なので「280円ショップ」ですね。ただ、売られているものは日本に100円ショップと大差ないかな。日本の100円ショップ業界の方々の努力がすごいのか、市場の差か。


キララで

その後、引っ越しして居場所がわからなくなっていた妻の友人の家がわかり、そこにお邪魔することに。隣町キララとバラナーの間のようです。彼女の家には6年前にも行っており、子どもたちにも会っているのですが、私たちのことを覚えてくれているでしょうか。

行ってみると、6年前二人だった子どもが四人に。上の男の子は幼稚園児がBon JoviやGuns'n Rosesが好きなハードロック少年に。下のちっちゃな子はサッカー好きの子どもになっていました。お兄ちゃんはリヴァプール、弟はマンチェスターのファンなのでよくけんかするらしいですが。
私たちのことはちゃんと覚えてくれていて、中でもうれしかったのは6年前にあげたカエルのぬいぐるみをまだちゃんとかわいがってくれていたことです。

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そのぬいぐるみ。向かって左が兄、右が弟。弟くんはもうピアスをしていますが、アイルランドでは珍しくないことだそうです。

新しい家は中古住宅のリフォームとのことですが、内装やペンキ塗りはほとんど自分たちでやったとのこと。家の中も見せてもらいましたが、たしかに手作り感覚でとても楽しそうな雰囲気でした。

予想外にうまくいろんな友人たちに会えていい感じ。でも今日はこのくらいにして、ちょっとバラナーの外にも出かけることにしました。行き先はイニシュクローン(Inishcrone)これも、妻が小さい頃行った覚えのあるところで、海水浴場です。


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イニシュクローン。寒そうに見えるし、実際かなり涼しかったのですが(日本で言えば10月下旬くらい?)それなりににぎわい。


ベリーク城で

そして夜は、2日目にパブに連れて行ってもらったMさんとその旦那さんFさんと、お城のレストランで食事です。20時半にFさんが宿まで迎えに来てくれましたが、妻はまだ準備中。「ごめん、準備中なんだけど。」と話すと、「うちの妻も準備中なのでまだ家にいるんだ。」とのことで、女性が準備に時間がかかるのは万国共通、と男性の持っている思いが一致。

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ベリーク城(Belleek Castle)。かつてバラナー地域を支配していた領主の城だそうです。今はレストランとホテルになっています。


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料理によっては、シェフがこんなふうにパフォーマンスしてくれます。私は昨日行ったコネマラの羊を食べましたが、量が多すぎて食べ切れませんでした。前菜ですでに日本のメインディッシュに近い量だったかも。

ここでもいろんな話をしました。一番印象的だったのは、私が「週に数回は午後9時過ぎまで働いている」と言ったら、二人が本当に気の毒な顔をしたことです。私としてはかなり控えめに言ったつもりですが、それでもアイルランドの常識で言えば「働き過ぎ」のようなのです。最初は「勤務は何時スタートなの?」と訊かれてしまったくらい。さらに、同じ年代の友人はたいてい毎日深夜まで働いているし、それは特別なことではないと言うとまるで誰かが亡くなったかのような気の毒な表情でした。彼らも仕事(医者と薬剤師)を「愛している」らしいですが、自分の時間が一番だ、とのことでした。

なんでそんなに遅いの?と訊かれて、そうしないと納得のいく仕事ができない、そしてそうなってしまう理由としては仕事の仕方が効率的でないのと新規採用を控える傾向が強まっているので人が足りなさ気味だから、とは説明しましたが、本当のところは自分でもよくわからないのが現状です。考えさせられました。

その他は、北朝鮮の話題など。北朝鮮の現状については知っていた(我々に会うから勉強していた?)ようですが、拉致の話は知らなかったようでびっくりしていました。逆に彼らからは、ヨーロッパにもまだ分断国家があることを教えてもらいました。キプロスです(サイプラスと聞こえたので最初は何のことかわからなかった)。まあ北朝鮮とは内政状況が全然違うんですが、その時にはわかりませんでした。

私のつたない英語につきあってくれた彼らに感謝しつつ、城を出ました。城の外は深い森に覆われており、夜中にここを移動するのは車であってもなかなかの雰囲気です。Fさん曰く「ここには領主の幽霊が出る、そのとき犬を連れていれば大丈夫だけど、犬がいなければやばいんだ。」「シャーロック・ホームズの『バスカヴィル家の犬』を思い出す」と言うと「そうそう。私もそれを思ってた」とのこと。

今日はいろんな人と会えましたが、明日も、妻の友人を訪ねます。今度はバラナーにはいない人たちを。


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