庭を歩いてメモをとる

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クスコの遺跡、盗難事件、地球の裏側で聴いた「上を向いて歩こう」

クスコ郊外の遺跡

相変わらず時差ボケのまま3日目の朝を迎えました。睡眠時間が少ないことと、空気が薄くてちょっと頭が痛いのが残念ですが、天候は今日も晴れ。観光には最適です。

今日はガイドのカルロスさんと、バスでクスコ市内の遺跡などをまわります。クスコの遺跡は距離をおいて点在しているので、バスでの観光が便利です。 カルロスさんは、大学で日本語を学んだ後、大阪に住んでいたこともあり、とても丁寧な日本語を話します。日本に興味を持ったきっかけは、なんとTV番組「子連れ狼」だそうです。昔ペルーで放送されていたとか。

さて、まず訪れたのはタンボマチャイ。インカ王女の沐浴所ではないかと言われています。昔も今も一定量の水がこんこんと湧き出ています。


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タンボマチャイ。溝の中を泉の水が流れています。

次に訪れたのはケンコー。祭壇とも、野外劇場とも言われています。大きな一枚岩に裂け目が入っている形で、その裂け目は通路にもなっています。


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ケンコーの一枚岩

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祭壇にはリャマの形をした溝がありました。

そしてクスコ市内を見下ろす高台へ。ブラジルのリオデジャネイロのものにそっくりなキリスト像があります(サイズはかなり小さい)。そのふもとからクスコ市内が一望できます。かつてのインカ帝国の首都を眺めているのかと思うと、感慨深いものがありました。


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クスコの眺め。

屋根が全て茶色なのは、世界遺産であるクスコ市街を当局が規制しているため。左端に唯一銀色の屋根(競技場らしい)が見えますが、これも近々茶色に塗られるそうです。
次にサクサイワマンへ。ここはかつて非常に重要だった場所です。というのも、インカ時代、クスコの街並みはは上から見るとピューマの形をしていたのですが、そのピューマの頭部にあたるのがここなのです。つまりは首都の司令塔・要塞の役目を果たしていたというわけです。現在でも、インカ最大の祭り「インティライミ」はここで行われます。


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サクサイワマンの全景

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遺跡の一部の岩肌は遊び場になっています。遠足に来ていた地元の小学生が滑って遊んでいました。ちなみに私も年甲斐もなく滑ってみましたが、結構スピードが出てスリルがありました。着地点に衝撃吸収のためのタイヤまで用意されていたので、多分公認の遊び場になっているのでしょう。


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遺跡の壁にあるヘビの模様。昔読んだオカルト本で「このヘビの頭部に魔法の石を入れて宇宙人を呼ぶ」なんてのがありました。もちろん、実際に見てみるとただの穴でした。


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要塞だけあって石組みは非常に精密。マチュピチュ同様、日本から持参したカミソリをあててみましたが、やはり入りません。

郊外の遺跡をひととおり見た後は、市内のホテルに戻り、となりのレストランで昼食です。店内では、フォルクローレ風にアレンジされた「イマジン」が流れていました。


盗難事件

昼食を終え、バスに戻ろうとすると、ツアーメンバーの方が駆け込んできました。「バスに置いてたかばんがない!」みんなで急いでバスに戻ってみると、「私のもない」「私のも!」椅子の上に置いておいたものがあらかたなくなっているようです。

どうやら犯人は窓から侵入し、椅子の上にある目についたものだけを素早く盗んでいったようです。開いた窓の下の椅子には、犯人のものらしき靴跡がありました。パスポートの盗難はありませんでしたが、高価なものを盗られた方もいらっしゃいました。私は何も盗られませんでしたが、私たちの旅行を文字通り土足で踏み荒らされたような気分になりました。

ただ、この後、ペルー人のガイドさんが「このようなことになり申し訳ありません。同じペルー人として大変恥ずかしい思いです。」と話された時、自分が原因でなくても謝るというメンタリティが日本人そのもので、それを理解して実行したガイドさんはさすがだと思いました。


クスコ市内

昼食後は、クスコ市内の観光にでかけました。まず「太陽の神殿」へ。ここは、スペイン人がインカの建築を破壊した後建てた教会なのですが、約40年前の大地震の時、埋もれていたインカ時代の礎石が見つかったというところです。教会になる前は、「太陽の神殿」だったというわけです。


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教会の中庭。


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教会の端に、発見された礎石があります。ここもまた非常に精密な石組みです。スペイン人の石組みは霞んで見えます。

その後はおみやげ用のアルパカ製品店に行った後(ベイビーアルパカのマフラーが25$くらい)、ホテルに戻り、自由行動の時間に。ちょっと休憩してから、ツアーメンバーの方と一緒にクスコ市内に出かけました。

まずは市内の通りにあるらしい「十二角の石」へ。十二角形の石がぴったりはめ込まれていて、インカの技術の高さを証明するものだとか。行ってみると、案内役の少年がいて、日本語で「ジュウニカクノイシ」と教えてくれます(チップとして絵はがきを買いました)。


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真ん中のいびつな形の石が「十二角の石」

その後は一人でクスコ市内を散策しました。「現代のクスコ」を見てみたかったからです。


現代のクスコ

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ペルー電話会社。

クスコの街の建物で異様にきれいだったのがこの電話会社と銀行。どちらもガードマンが入り口に立っており、ちょっとものものしい雰囲気。


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乗り合いタクシー。

夕方5時を過ぎると道はこんなワゴン車でいっぱい。渋滞と呼び込みの声で独特の活気を感じます。
その他には、こんなところをうろつきました。

  • 夜が予想以上に寒いのでスエットパンツを30米ドルで、タートルネックを9米ドルで買いました。値段的には日本とそんなに変わりませんね。
  • 電気屋を覗いてみると、ステレオはソニーやアイワなど軒並み日本製品が独占しており、CD付きのコンポで30米ドルくらいから。さすがにMDは皆無でした(まだ一般に普及しているのは世界でも日本くらいらしい)。パソコンは一台だけ、コンパックのデスクトップが1400米ドルくらいで展示されていました。
  • 路上では音楽カセットテープが売られてます。ビートルズ、ポール・マッカートニー、クイーン、TOTOなどメジャーどころのベスト版です。これらが一本5米ドルくらいでした。ポールのものを買ってみたところ、ゲフィンレコード(!)のマークがありオフィシャルもののようにも見えますが、曲名のスペルが間違っていたり、テープがB面から始まっていたりと怪しい点も多かったです(内容はオフィシャル音源)。
  • ところがCDショップに行ってみると、CDは軒並み40米ドル近く、かなり高価です。普及していないのかもしれません。ここでペルーの若者の間で一番人気のあるロックミュージシャンのアルバムを店員さんに教えてもらい、買って聴いてみましたが、ちょっとギターがハードでメロディアスな普通のロックでした。
  • ヨーロッパの街並みと同じく、雑誌だけ売っているキオスクのような店がたくさんありました。驚いたのがパソコン雑誌が全体の4~5分の1を占めていたこと。意外と普及しているのでしょうか。

この日の夕食もフォルクローレのバンド演奏付きでした。テーブルには、お客の国の旗が飾られていました。日本の他に、アメリカ、イタリア、ギリシャ、イスラエルなど、さすがにいろんなところから人が集まってきています。今日のバンドは、日本の旗を見てのことでしょうか、「上を向いて歩こう」をやってくれました。こんな素敵な曲が「日本を代表する曲」として認知されているのは嬉しいことだと感じました。


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フォルクローレバンド

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