庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

マウリッツハイス美術館展(神戸市立博物館)

まさかあの「真珠の耳飾りの少女」を関西で生きてる間に2回も(というか前回はたった12年前)観られるとは、でもマウリッツハイスだからそれだけじゃないよね、との思いで行きました。土曜日の15時過ぎということもあり入り口には入場まで40分待ちとの表示が。まあこれはしょうがない、というよりまだこのくらいでよかったと思います。

いつものように、まずはざっと全部の画を見てそれから気に入ったのをじっくり観ます。画の種類毎にまとめて展示されていたのが新鮮(私が知らないだけ?美術館は年に数回しか行かないので)。風景画、歴史画、肖像画、静物画、風俗画。

風景画は、空の光の描写に感心するものがいくつもありました。希望を感じさせるようなあたたかさ。このヤーコブ・ファン・ライスダール「漂白場のあるハールレムの風景」もそうでした。

歴史画コーナーのフェルメール「ディアナとニンフたち」は2008年に東京で観ましたが、その時と同じ「普通のいい画」という感想しかなかったなあ。

肖像画。フェルメール「真珠の耳飾りの少女」はそれ専用に一室が設けてあって、目の前で観たい人向けと肩越しでもいい人向けの列が分かれてありました。これはなかなかいいやり方だと思いましたが、目の前で観たい人用の列は立ち止まってはいけなかったようで、実はじっくり観るなら肩越しOKの列のほうがよかったりします。この画は、前に観たときも感じたのですが、本物と印刷物の違いがあまりない。こんなことを書くと眼力のある方からは呆れられそうですが、それくらい、色合いや構図、少女の表情などが完成されているので、本物を観ても印刷物との落差をあまり感じないんですよね。とはいえターバンの青色と丁寧な描きこみはやっぱり本物ならではの迫力がありました。

静物画と風俗画は、実は17世紀のオランダの画では一番「楽しい」ジャンルだと思っています。いろんな工夫があるからです。ヤン・ステーン「牡蠣を食べる娘」なんてこんな意味(→神戸市立博物館の解説参照)があるなんて説明がないとわからないですが、わかると俄然楽しくなってきます。ちなみにこの絵、実物はものすごく小さかったです。

思ったよりコンパクトでしたが、17世紀オランダ絵画を凝縮した内容に満足しました。その後、常設展で明治前後の神戸の歴史を学び、すぐ近くでやっていたルミナリエ(あいにくの雨でしたが)を眺めて帰りました。

ここに来る前は友人が開設したギャラリープシェ(Galerie Psyche 阪急岡本駅が最寄り)で谷口嘉さんによる棒状のガラスを使った「ガラスらしいけどガラスらしくない」興味深いアートも拝見(「谷口嘉」での画像検索結果)、とにかく眼福な土曜の午後でした。


関連メモ


(広告)