倉橋ヨエコ「ザ・☆狂鍵ヒットパレード」

倉橋ヨエコのPVとライヴ数曲。

まずはPVから。どの作品も「不幸」「昭和テイスト」「一見チープだけど実は丁寧なつくり」というヨエコさんワールドを見事に映像化。まあちょっとどれもこれもCGというのは単調に感じましたが、実写でこの世界をつくるのは相当な予算と役者が必要だろうからしょうがないのかな。とはいえ、「東京ドドンパ娘」のポップ感、「夏」の歌詞と戦争を絡めるところ、「東京」のけいれんするコラージュ画面のセンス、何より「人間辞めても」で主人公が虫けら同然の扱いというところなど、忘れられない映像と音楽のオンパレードだったのは確かです。

ここまでで十分楽しんだのですが、予想外に凄かったのがライヴ。ヨエコさんのキーボードの確実なテクニックと歌の安定感にしびれました！これあとからスタジオで録った音をかぶせてるのかな、と一瞬思ったくらいにしっかりしてる。安心して耳をまかせられる。そしてその盤石の土台の上に墜ちていくヨエコワールド。なのに本人目を見開いた笑顔。第一級のエンターテインメントだと感じました。彼女のキーボード弾き語りのみの「梅雨色小唄」がその真骨頂かな。

紹介してくれたMさんには本当に感謝です。ヨエコさんがすでに廃業しているのがますます残念になりました。一度この目この耳で体験したかったなあ。