庭を歩いてメモをとる

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イ・ムジチ合奏団 結成60周年記念公演(ザ・シンフォニーホール)

4年ぶりに彼らの公演に足を運びました(前回のメモ)。今回の目当ては、坂本龍一教授がイ・ムジチ結成60周年のためにアレンジした弦楽合奏版「ラストエンペラー」。ピアノソロや弦楽トリオのバージョンは愛聴していますがこれははじめて。オリジナルのオーケストラバージョンはアレンジが本人の手になるものではないということもあり、教授がどんなアレンジをしてくれたのか、そちらを楽しみにしていたわけです。


プログラムの最初は、「イ・ムジチのオスカー」と題してアカデミー賞作曲賞などを受賞した作品群が奏でられました。「イル・ポスティーノ」やエンニオ・モリコーネの作品など(でも「ニュー- シネマ・パラダイス」がなく残念)。イタリア人のメロディをイタリアの人たちが演奏する「水を得た魚」感が心地よかった。

次がお目当ての「ラストエンペラー」。スコアに忠実な演奏だったのですが(後述の「四季」に比べると特に)、それでも朗々と歌い上げるような演奏が、オリジナルや坂本教授の演奏とはまったく異なる味わいを醸し出していました。もともと興味があったアレンジはわりと驚きがなく(近年のピアノソロ版を踏襲した感じ)、それよりもイ・ムジチが「自分たちの曲」にしている様が印象的でした。


第2部はおなじみのヴィヴァルディ「四季」。楽団の中で一番若そうな、髪型がジョニー・デップみたいな感じの人が「暴走」していました。緩急つけまくり。そしてその「急」のところ、音を数音飛ばしてるんじゃないかくらいのスピードでした。個人的にはやりすぎではと思いましたが(何度もは聴きたくない)、何百回もこの曲を演奏している彼ら、ちょっと暴れたかったのかもしれません。それに雰囲気としてはとても楽しいものでしたし、それはそれでよかったです。


この「楽しさ」という点がさらに発揮されていたのがアンコール。なんと4回も応えてくれたのですが(イタリアの人たちを日本の労働サービスレベルに合わせさせるのは気の毒な気もしましたが、そこはさすがに終始笑顔のプロたちでした。)、生き生きとした演奏ちょっとしたMCで盛り上げた後、最後の曲ではコミックバンドさながらの演出(急に席を立ち上がって隣のメンバーとけんかの真似事をし始めたりとか)でシンフォニーホールをわかせていました。CDだけでは決してわからない彼らのエンターテイナー魂を感じて頭によぎったのは、彼らの名前も伊達じゃないなってことでした。「イ・ムジチ(I Musici)」は「音楽家たち(The Musicians)」という意味のイタリア語なのだそうです。



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