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阪急電車


(舞台のひとつ阪急西宮北口駅のコンコースは、上映期間も終盤にさしかかっているのにこの映画一色)

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[物語]
兵庫県を走る阪急今津線。男を寝取られた女は復讐のため白いドレスを着て二人の披露宴に出席、途中退席後この路線に乗り込む。夫に先立たれた老女はこの女に車内で声をかける。同じ電車にはDV彼氏とのつきあいに悩む女性もいた。その他、ランチ会合にいやいやつきあいながら悩む主婦、ちょっとしたコンプレックスを持つ二人の大学生、沿線の大学に憧れる高校生などがこの片道15分の今津線を軸に生活を交錯させる。


[感想]
私はこの小説の舞台である阪急今津線沿線に住んでいます。以前原作を読んだときは同じ西宮市内ではあるもののこの沿線ではなかったのですが、去年引っ越してきたのです。それから約1年でこの映画が公開。これは、今津線西宮北口駅間近のTOHOシネマズ西宮OSで観るしかないと思い足を運びました。

そんな次第なので、出てくる場面場面、おなじみの場所が多すぎてそこにかなり目を奪われました。もちろん最寄り駅のシーンもありました。もうおなじみすぎて、このシーンの後ろの看板は撮影用に付け替えたものだなとか、あれ、ここにはベンチはないはずやからこれ撮影のために持ってきたんやなとか、どうでもいいことが頭に浮かんでは消えていきます(ついでに言えば、戸田恵梨香って「デスノート」でもミサ役だったなあとか)。こんなに「普段の生活」圏が頻繁に登場する映画を、その舞台にごく近い映画館で観ることなんて、これが最初で最後でしょう。

でも、そういうご当地の楽しみというかつっこみとはまったく別に、これは愛すべき作品だと感じました。原作の醍醐味の一つ「駅ごとに主人公が変わる構成=人々の生活が交錯していく様を描くわざの見事さ」という面は薄くなっているものの、その分、登場人物への愛着が深くなるようなアレンジがこの映画版ではなされていたからです。

人生、つらいこともあるけど「悪くないよね」、というシンプルなメッセージが、(フィクションの割には)どこにでもいそうな人々を通じてあたたかく発されていたということです。この地で日々の平凡な生活を営んでいる私としては、こういう、奇想天外ではない日常の物語がこの阪急今津線を舞台にしてくれたこと、そして原作だけでなくこの映画もちゃんとした質を持ったものであったことに感謝します。そう、突き抜けた発想やクオリティがあったり魂を激震させるような作品でなくても、心にずっと残る、人によっては大事なものになることもあるのです。これは芸術娯楽だけではなく、生活にも当てはまることのような気がします。


関連リンク:映画「阪急電車」公式サイト


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