庭を歩いてメモをとる

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相対性理論+渋谷慶一郎「アワーミュージック」

アワー ミュージック

7曲のみ、しかも別アレンジを除けば3曲しかないミニアルバム。しかし並のフルアルバム以上の内容でした。

最初にリピートしまくったのは4曲目と5曲目のヴォーカルとピアノのみのヴァージョン。やくしまるえつこのウィスパーヴォーカルと渋谷慶一郎のピアノが紡ぐ音は、シンプルでありながら豊か、無機質でありながら叙情性を感じさせるもので、要するに深く味わえる作品。これだけでもこのアルバムは聴く価値があるなと思わせられました。

さらに、6曲目の"our music"のAlva Notoによるアレンジは、この曲の無機質なクールを際立たせる仕上がりになっており、これもまたおもしろい。研ぎ澄まされたノイズが心地よいのです。7曲目の、Hildur Guonadottirによる"Blue"のストリングスアレンジも、同様に鋭さを感じさせてくれます。

これらのエッジが効いたアレンジヴァージョンを数日間ひとしきり堪能した後、いつもの相対性理論のサウンドが残っている1〜3曲目を聴いてみると、今度はそのポップさが楽しい。やくしまるのヴォーカルも4〜7曲目よりもウィスパー加減がなりを潜めてバンドサウンドに合っています。この12月の朝は、出勤するときに1曲目の「スカイライダーズ」を聴いて今日はいい一日になりそうだという気分になっていたのですが、これこそポップミュージックというものではないでしょうか。

オリジナルと複数のアレンジが収録されているアルバムで、結果的にどれもお気に入りになったというのはなかなかない経験でした。このコンビで是非またやってほしいです。


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