庭を歩いてメモをとる

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サンタ・サングレ

サンタ・サングレ 聖なる血 [DVD]

[物語]
少年フェニックスは、サーカスでナイフ投げをしている好色な父と、同じくサーカスで曲芸をしつつ、サンタ・サングレ(聖なる血)という名の、両手を切り落とされレイプされた少女を崇拝する教会のリーダーを務めている。ある日刺青女と不倫している父に母は硫酸をかけるが、父は母の両手を切り落としてしまう。・・・成長したフェニックスは、自らの両手を母の両手とし一心同体の毎日を営むが・・・

[感想]
「エル・トポ」を観ていたので覚悟していたのですが、それでもホドロフスキー監督の世界に圧倒されそうになりつつ、なんとか2時間持ちこたえました。タイトルにもちなむ血のイメージ。心身異形のオンパレード。始終やまない強迫観念のような音楽。監督が狙ってやっているのか素で下手なのかわからない唐突な舞台回し。すべてがあいまって深層心理を刺激し、普段意識していない精神の奥に潜んでいる特殊な感情をかきまわす。さすがの奇作です。

深読みしようと思えば、そしてテーマを掘り下げようと思えばいくらでもできる想像力を働かせる余地をふんだんに持つこの作品ですが、個人的には、あまり左脳を働かせず、ひたすら映像と音、物語と演出をダイレクトに右脳で受け止めてゆさぶられるのが正解という気がしています。そういう味わい方ができてしまうのもこの作品の魅力のひとつでしょう。

なかなか観る機会をつくりにくい(レンタルにないって意味です。)この作品を観るきっかけをくださったYさんに感謝です。


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