序盤、配布されたパンフレットをがさごそする音が耳障りで残念だったのが、いつのまにか静寂と音楽だけが存在する世界へ。
大貫さんの声、私は大好きってわけではないのですが、この場ではだんだんと豊かに感じられていきました。生だからかな。
坂本教授のピアノの、音の一粒一粒のきめ細かさと円熟味を両立した響きも堪能。こちらも生ならではか。
そんな研ぎ澄まされた世界と、夫婦漫才寸前の二人のMCとのギャップもまたおかしくてよい。
なにはともあれ、ピアノと歌だけというシンプルな構成から会場全体に広がる豊かさを紡いだお二人。楽曲の良さ、演奏・歌の磨き込み具合、長い年月を通じて重ねられた経験と信頼。これらすべてが見事に結実しているライヴでした。
参考:セットリスト