庭を歩いてメモをとる

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小沢健二コンサートツアー 二零一零年五月六月 広島市文化交流会館

(ネタバレそのものですので、今後ツアーに行く予定の方は、その後お読みいただいたほうがいいと思います。)














突然暗転。そして「流れ星ビバップ」。真っ暗なまま。

最初の一瞬で、完全に心を奪われてしまいました。
なぜ一番最初が一番好きな、しかもシングルB面曲なの?などという疑問は数秒で消え失せ、小沢健二の創り出すマジックに身をまかせました。

詩みたいなエッセイ。2003年ニューヨークの大停電について。だから真っ暗なままなのか。そういえば開演時間が迫ってきた頃、係員さんが「演出上の理由により、開演するとしばらくご入場できません!」と叫んでいた理由がわかった。おもしろいなあと思っていたら「僕らが旅に出る理由」!

途中でぱっと明るくなる。小沢健二が見えた!またしてもマジックにやられました。そしてエッセイのあと、「天使たちのシーン」。短く濃くアレンジされて。

なんか、恐ろしいほどまでに聴きたい曲を立て続けに、未経験の演出で魅せてくれる。このコンサートのために兵庫から広島へ出てきたわけですが、もうこの時点で十分もとはとれた気持ち。いや、このミラクルに対して元がとれたとれないなんて言うのは無粋そのものか。

2階席でしたが、小沢健二の存在感が強烈だったので、彼と同じ場所で同じ歌を歌えている気持ちは彼との物理的な距離を感じさせないものでした。

以後、歌とエッセイ朗読がほぼ交互に進んでいきます。新曲(「いちごが○○←聞き取れなかった」など)の登場、やさしい言葉の中に彼の観察力・感受性・知性がびしびし感じられるエッセイもよかったけれど、個人的には白眉は「ライヴがあったらここを大声で歌いたかった/参加したかった」という夢が次々実現されていくことでした。

「流れ星ビバップ」の「ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!」、「痛快ウキウキ通り」の「パーパラララッパラ!」、「さよならなんて言えないよ」の「オッケーよ!」・・・どれも、会場全体がそこを叫ぶ。その度に、これ、これが夢だったんだ・・・と感じる。こんな幸せ、ちょっとないです。個人的に一番感激したのは、「ドアをノックするのは誰だ?」の「誰か」の後からのハンドクラップでしたね。意表を突かれそしてにやりとしたのは、「今夜はブギーバック」のラップ部分をオーディエンスに歌わせて、それが見事に成功していたこと。みんな、あのラップを覚えているんですね。もちろん私も覚えていましたが。とにかく、本当にこの場所にこの人たちといられてよかったなあと感じることの連続でした。

もうひとつ、個人的に感極まったのは、最後の「愛し愛されて生きるのさ」。リピートを1回多めにやってくれたのもそうだけど、何よりだったのは語りの部分。「家族や友人たちと!」語るのではなく叫んでいる!彼の渾身の思いがそこに感じられました。

結局、新幹線の終電には間に合いませんでしたが、そんなことはどうでもいいことです。これからずっと忘れないであろうシーンの連続だったのですから。

実はこの広島公演、いくつかの会場のチケットを友人たちの協力も得ながらチケット確保に奔走したものの結局全滅で、オークションでも競り負けて途方に暮れていたところ、友人のマイミクさんのマイミクさんからチケットをお譲りいただいたのです。改めて、関係してくださった皆さんとご縁に感謝しています。心から、ありがとうございました。



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