庭を歩いてメモをとる

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湊かなえ「告白」

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

[物語]
中学教師森口悠子の4歳の娘が、勤務する中学校で死体となって発見された。当初は事故だと思われていたが、森口は終業式後の教室で、「娘はこのクラスの生徒に殺された」と告げる・・・

[感想]
マイミクさんに教えていただいたこの小説、けっこう話題になっているようですね。大きめの本屋さんに行くと平積みされていましたし、図書館借りようと思ったら100人以上の予約が入っていました。

ひとつの殺人事件を軸に、被害者の親、犯人のクラスメイト、犯人の親、犯人自身など、章ごとに語り手を変えて描かれていく形式が成功しています。そうすることで、ひとつの事件に潜む背景を掘り下げ、意外な事実を次第に明らかにし、読者をぐいぐい引き込んでいく。

そんな中で、よく議論の俎上に上がる少年犯罪や倫理観の問題などを描いてはいますが、これはそういうものを哲学的に問いかけるというよりは、やはりエンタテインメントですね。私は少なくともそう感じました。読んで「面白い」小説として、よくできているという感じです。

読後感は?不快感と爽快感が同時に起こって、しばらくしてからどーんと落ち込みました。そういう点では、映画「ドッグヴィル」に似ている気もします。しかし、前述したように、これはエンタテインメント。そこは「ドッグヴィル」と違う一番の点かな。

いずれにしても、週末に興奮と落ち込みをもたらしてくれた小説でした。これがデビュー作とは素晴らしい。著者の今後にも期待です。



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