庭を歩いてメモをとる

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フィラデルフィア

フィラデルフィア [DVD]

[物語]
優秀な弁護士でゲイのベケットは、エイズであることを理由に法律事務所を不当解雇された。ベケットは訴訟を起こすため数々の弁護士にあたるが誰も相手にしてくれない。そんな中、手を差し伸べたのはゲイ嫌いの弁護士ミラーだった・・・

[感想]
物語は意外なほど淡々と進みます。法廷劇だけど、あっと驚く仕掛けもない。そんな中で、エイズ、いやそれよりも同性愛への偏見の醜さを力強く描く力量が見事だと思いました。

しかし、私がこの映画でもっとも感銘を受けたのは、メインテーマのであろう「偏見の醜さ」への告発ではありません。死期が迫ったベケットが、愛するオペラ(ジョルダーノという人の「アンドレア・シェニエ」)の一節を全身をもって味わい尽くすシーン。芸術が生命を熱く燃え上がらせる様には魂が震えました。

なので、個人的なこの映画の第一の感想は、「音楽って、生命を力づけるこんな力があるんだなあ」なのです。作者の意図とは違うのかもしれませんが、まあそういう感じ方もあるということで。


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