庭を歩いてメモをとる

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フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち(東京都美術館)

今まで行った中で一番楽しかった美術展でした。作品がよかった?いや、いくらフェルメールが7枚あるといっても、例えばメトロポリタンやロンドンのナショナル・ギャラリーとは比べものにならない。企画がよかった?そのとおり。でもそれは美術館側の、ではなく(悪くなかったとは思いますが)、Fさんの企画が、です。

それは、まずは自分のペースでじっくり観た後、閉館15分前に気心のしれた人たちで集まって美術館の入口まで戻り、ガラガラになった館内をみんなでこの作品はどうだとかあの作品はこういうところが面白いとか言いながら観ていくというものです。これが実に面白く楽しかった。同じ感想が出てくれば楽しく嬉しいし、自分の気づかなかった指摘があるとなるほどと思えるし。欲をいえば、もう5分早く集まっていればメインディッシュのフェルメールをもっと「わいわい」楽しめたと思うんですが、まあそれは仕方のないこと。企画者のFさんと集まってくれたみなさんに感謝です。

さて、個人的な感想を。まずこの美術展、世界に30数点しかないフェルメールを7枚も集め、同時に彼の活躍したデルフトの他の興味深い作品をも並べたところは素晴らしいと思うんですが、そのフェルメール7枚、どうも「目玉」や「これ」というものに欠ける感じが否めません。いや、素晴らしいといえば素晴らしいんですけどね、ベスト盤ではないかなという感じ。

といいつつも、今回のフェルメール作品について個人的な感想を簡単に。以下、画像はWikipedia英語版からの引用です。


小路


個人的にはこの美術展ではこれがベスト。見どころがたくさんあるので観ていて飽きない。左の木の葉の部分はフェルメールにしては絵の具が盛り上がっていたのが驚き。


手紙を書く婦人と召使い


「小路」と並んで完成度が高いと感じました。アイルランドで観たときは時間が5分ほどしかなくてあわてていましたが、今回じっくり観られて満足。


リュート調弦する女


2000年の大阪で観たはずなのに、印象がまったく変わっていました。画集でも大阪でも、なんかぼーっとしてるなあ、という感じだったのが、ああなんて柔らかく優しい光なんだって。


マルタとマリアの家のキリスト


エジンバラで観たときは「なんかベニヤ板に書いたみたいな薄い絵だなあ」という感想だったのですが、今回は存在感がどんとありました。以前感じた雑な印象も、今回は力強さとして受け止めることができました。なんでこんなに印象が変わるんだろう。


ワイングラスを持つ娘


画集のほうが鮮やかに見えた・・・というのが正直な印象です。本物への期待が大きすぎたのかなあ。それでも「いい絵だな」とは思ったんだけど・・・でも窓のステンドグラスは画集よりもずっと美しく、ああこれが本物かって。


ヴァージナルの前に座る若い女


2004年までは贋作扱いされていた作品。素敵な作品だと思うけど、たしかにフェルメールらしくなさも感じるんだよなあ。まあ今回、個人蔵のこの作品を観られたのは恵まれたチャンスではありました。


ディアナとニンフたち


なんか普通のいい絵、という印象しかなかったです。


美術展を楽しんだ後は、そのまま上野で飲み会。もともと音楽が好きで知り合った方々と、「絵を観て楽しむ」ということについていろんな話をしました。これもまた刺激的で楽しかった。さて、私にとって「絵を観て楽しむ」とはどういうことなのか?絶対本物でないといけないなんて全然思ってません。画集でも絵の良さ、面白さは十分味わえると思います。じゃあなぜ本物を観たがる?まずは大きさ。実物の大きさは、まぎれもなく印象を大きく変えます。そして実物を見ないとわからない様々な情報。たとえば、ゴッホ作品の絵の具の盛り上がりは画集ではわからない。でも私の場合は、本物を観る一番の理由は古代建築物の観光に似ているような気がします。ああ、実際に古代エジプト人がつくったピラミッドが目の前にあるんだ、というのと同じ感覚で、ああ、これが本物なんだって感じられるのが好きで観ている。そんな気がしています(飲み会ではこのうち半分くらいしか話に出せませんでした。でも楽しかった)。

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