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藤原伊織「テロリストのパラソル」

テロリストのパラソル (講談社文庫)

藤原さんの訃報に接して、以前ある方がこの小説を激賞されていたのを思い出して手に取ってみました。

[物語]
アルコール中毒バーテンダー島村が新宿中央公園で休んでいると、突如爆弾テロが発生。偶然としか思えない出来事の中で、被害者の中に島村の過去とつながりのある人物が複数いることが判明。ヤクザの訪問や警察に追われる身となった島村がたどり着いた真実とは・・・

[感想]
のっけから物語に引きずり込まれた私は、主人公と同じように酒を片手に公園に向かいこの本を堪能しました(単純)。ページ数が残り少なくなっていくのに一向に見えてこない「真実」、魅力的な登場人物。この二つにぐんぐん引っ張られていくのが爽快でした。最終的にたどり着いた「真実」には、少し腹に落ちないところがあった(理屈ではありうるけど、そうなっていく心情がいまひとつ理解できなかった)ものの、物語としては破綻がなかったので満足でした。

ああ、こう書くとなんかあまり面白くなさそうな紹介になってしまいましたが、最初から最後までまったく飽きさせることなく物語に引っ張り込まれていたのは事実。ずっと忘れない作品だと感じています。

しかしこの作品を読んで一番思ったのは、60年代末の学生運動っていったい何だったんだろうってこと。その時代の空気には本当に特別な何かがあったのだろうな、としか想像できません。


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