庭を歩いてメモをとる

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ダン・ブラウン「天使と悪魔」

天使と悪魔 (上) (角川文庫)天使と悪魔 (中) (角川文庫)天使と悪魔 (下) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード」に似すぎ。主人公、魅力的な女性との出会い、これでもかと登場する歴史・芸術・宗教トリビア(個人的にはこれがこの人の小説で一番興味深い)、ジェットコースター的展開。同じ作者とはいえ、似すぎにもほどがある。

でも、退屈しないところ、そして登場する名所に行きたくなってしまうところも同じ。だから満足。それから「宗教と科学の対立・融和」という壮大なテーマを、本質を損なわせることなくこの娯楽作品の柱にしてしまった手腕は、個人的には「ダ・ヴィンチ・コード」以上かなとも感じました。

(追記:ScouceKatsさんの感想もご紹介させていただきます。)

ちなみに、この本で重要な意味をもつ「アンビグラム(上下逆さにしても同じになるデザインの文字)」。個人的に真っ先に思い浮かぶのは↓です。

ところで、全然本筋とは関係ないのですが、この小説にはソニーRUVIという製品が登場します。98年に発売された、今でいう動画デジカメ、MPEGムービーみたいな小型動画撮影機です。ただ、現在の動画デジカメと違い、なんと8mmビデオテープが本体に組み込まれているため、テープがいっぱいになると今までに撮った動画を消さないと新たに録画できないという仕様。なので私は買いませんでしたが、この製品が出た当時、この思い切った仕組みと「何が何でも動画の撮れる小型のカメラをつくる」という意気込み、そしてlike no otherぶりにはちょっとした驚きを覚えたものです。小説の発表は2000年。だからこの製品が登場する必然性はあるのですが、今なら代わりにMPEGムービーなどが登場するでしょうし、1998年以前なら同種の製品はなかったので、いいタイミングでこの特殊な、ある種の時代の徒花的ギアが小説によって記録されたな、なんて思いました。



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