庭を歩いてメモをとる

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廿日鼠と人間

廿日鼠と人間 [DVD]

90年代にも映画化されていますが、今回観たのは古い方、戦前の制作です。

物語:知的障害でやさしい性格だが怪力を持つ大男レニーと、その男を守る才覚をもった小柄な男ジョージの二人組。アメリカの牧場で雇われ人として過ごす毎日だが、彼らには自分の牧場を持つという夢があった。そして彼らは、牧場の他の男もその夢のメンバーに加え、近々の実現を図るが、運命は彼らが望まない方向に流れ始める・・・

全体的に見てもそのゆったりとした、しかし確固とした悲劇性が印象深い作品でした。しかしその中でも忘れられないほどの印象を残したのは、登場人物が夢を語る場面です。

納屋で偶然出会ったレニーと、カーリーの妻(夫カーリーが異常に嫉妬深いため牧場の男たちから避けられ、家でも夫にないがしろにされている)がそれぞれ会話をすると思いきや相手の話を聞かずに夢を語るシーン。レニーは自分の牧場でうさぎを世話すること、カーリーの妻はハリウッドで女優になること。無邪気な分、現実とのあまりのギャップが残酷そのもの。二人とも恍惚とした表情で現実を離れただ自分のことだけを語っていくその姿には強烈な印象が残りました。

夢を語る姿って、明るく、見ているこちらまで元気になってくるようなものもあれば、ただやりきれない気持ちにさせられるものもあるんですよね。


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