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スティーヴィー・ワンダー/楽園の彼方へ、クーリオのコメントと表情

音楽を聴いていると、いや音楽以外でもそういうことはあるのでしょうが、まれに「すごい」「素晴らしい」なんて域を遙かに超えた、畏怖の念を抱かせるような作品に出会うことがあります。ミューズがミュージシャンに降りてきただけではなく乗り移ってしまっていて、思わず頭を垂れてしまうような。スティーヴィー・ワンダーの「キー・オブ・ライフ」って、私にとってはそういうアルバムの一つです。「え、これ、一人で作ったの*1?」という驚きは今も消えません。

このアルバムのドキュメンタリーがGyaOで観られると知り、早速アクセス。1996年にアルバム発表20周年を記念して作られたものです。スティーヴィーはもちろん、当時の録音メンバーが同窓会さながらに集まり(笑いも絶えず、ほんとに同窓会のよう)、作品について語ります。その中で特に興味深かったのが、「楽園の彼方へ」(Pastime Paradise)について。

スティーヴィー曰く、この曲でやりたかったことは、「ビートルズ的なアコースティック」と「誰にでもわかりやすい歌詞」なのだそうです。両方とも意識したことがなかったので意外でした。音づくりについても、例えばハレクリシュナ・ベルが使われているとか、鐘の音を前後逆にしたとか(イントロとアウトロを逆にしたって意味?)興味深い話題が連発。この名曲にますます愛着がわきました。

中でも印象的だったのは、この曲のラップ版「ギャングスタズ・パラダイス」をヒットさせたクーリオ。この曲やスティーヴィーについて語る時の彼の表情がスティーヴィーへの敬意にあふれているのです。このアルバム、スティーヴィー、ひいては音楽の力を感じてしまうシーンでした。実は私、「ギャングスタズ・パラダイス」を初めて聴いたときには、あまりのオリジナルからの変わらなさ具合に「こんなん単なる替え歌やんか」って思いで、どちらかというと怒っていたのです。でもこの表情を見てクーリオの思いをやっと理解。あの「変わらなさ」はスティーヴィーへの畏怖の念の表れだったのですね。

この番組は3月1日まで観られるようです(ひょっとしてこのDVDを放送してるのかな?未確認ですが)。

*1:もちろんレコーディングは一人じゃないし、共作曲もあるわけですが。


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