CGなし、ワイヤーアクションなし、スタントなしのふれこみで作られたこの映画。ストーリーはいたって単純、村の仏像の首が盗まれたため、青年がバンコクにそれを取り返しに行き、敵と闘うという話です。もちろん観るべきはそこではなく、アクションです。
で、そのアクションはどうだったかというと、主演俳優トニー・ジャーの華麗な動きに見とれてしまう全編でした。人間ってこんなに跳んだりまわったりできるもんなんだなと改めて感心。実写版「バーチャファイター」と言えばどうしても「マトリックス」を思い浮かべますが、本当はこっちだなという印象です。CGやワイヤーなしでもあんな動きはできるもんなんだな。
トニー・ジャーが憧れていたというブルース・リーやジャッキー・チェンの映画と同じような楽しみ方になるのですが、そこはムエタイを全面的に取り入れることで、先人との違いを出しているのでありきたりには見えませんでした。
鍛え抜かれた人間の身のこなしは芸術的だな、と思わされた作品です。